検索窓
今日:2 hit、昨日:34 hit、合計:6,179 hit

いい思い出は。 ページ8

no-side


中原中也_幹部就任。



廊下では中原中也と高見Aが楽しそうに話していた。


Aは欠伸を噛み殺し、そのまま腕を頭の後ろで組んだ。


『でも中也が幹部?ポートマフィア、舐められないかな』

「おい、どういう意味だ」

『だってほら………ね?』

「身長は関係ねぇだろ!」

『別になにも言ってないじゃん!』


Aの足を踏みつけようとするが、避けられる。

足を軽く横にしただけで避けたAはあははと笑う。


長年中也を教えていたのだ。それくらい朝飯前だ。



しかし、その"中也の師匠"の肩身も下ろす。



Aは中也の頭を撫でた。


『中也、君に伝えることがある』

「待て怖いんだが」

『私をなんだと思ってんの』


突然の行動に、中也は思わずたじろぐ。


しかし、直ぐに気がつく。Aが"師匠"としてのAであったから。


そしてAは言った。









『今まで、よく頑張ったね』









教え子であった中也はこれからは"目上"。
今まで通りには接しられないのだ。









今まで言えていなかった「頑張った」をここで詰めていう。









「撫でんの下手くそなンだよ、もっと上手くやれや」

『ぐへぁっ』


「最後の師匠としての面目が〜」と悔やむAは頭を抑えていた。

要するに拳骨を落とされたのだ。可哀想に。



「A」

『何すか暴力チビヤンキー幹部』


チビとヤンキーを言ったAにいつもなら拳骨行きへとなるが今日はしない。


中也はAの前で軽く頭を下げた。









「今まで、お、教えてくれてありが、とうございま、した。」









恥ずかしそうに頭を下げる中也にAは微笑した。




「というか手前、俺が幹部だからと言って話さないわけじゃねぇからな。勘違いすんな」

『どっ何処で知ったの!?真逆中也は私の部__ぐうおっふぁっ!』


拳骨を落とされ床で一回転したA。




___今日の事は二人とも覚えるだろう。





___実は今日、Aが師匠になり中也が部下になった日と同じなのだから。





数日前___


「森さん、お願いがあります」

「おや、太宰くん。君がマフィアから抜け出して一年前後したけれど、お願いとはなんだね?」


砂色の外套を羽織った太宰は森の前に立つ。

今すぐ此処で捕まってもおかしくない状況だ。それなのに"お願い"とはなんだろうか。


「中也が幹部になる日はAが師匠になった日にしてください」

「別にいいけれど…何故君がお願いをする?」




「……二人のいい思い出になればいいなと思いまして」

黒時代から__現代へ。→←また、は。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
167人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年2月12日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。