検索窓
今日:12 hit、昨日:14 hit、合計:6,155 hit

最後の挨拶は。 ページ5

no-side


青い空は分厚い灰色の雲に覆われ、雨が降っていた。


織田は傘もささず、髪に滴る雨にも気にせず歩く。


雨の音、車の音、人の声___
織田の耳は色々な音が聞こえた。


そのなか、より大きい音が聞こえる。


織田は足を休めず携帯を耳に近ずける。



『織田さん!もうこれ以上行かないで!』

「…Aか」


それほど驚かなかったのは、Aから電話が来ると、悟っていたのだろう。


「俺には義務がある」

『でも!今いるところを教えて!』


携帯から聞こえたAは走っている音がした。
声には焦りと驚愕が混じっていた。


雨がどんどんと小雨へと変わる。

織田は歩くのをやめ、立ち止まった。


『全部、森先生の計画だった!織田さんのせいじゃ__』


それと同時にAが織田のいた橋の先着いた。
電話とAの声が重なり合う。

かなり息づかいも荒く、焦っている。




「俺は、小説家になりたかった」





Aの言葉を遮り、かつての夢を話す。





「だが、もうその資格はない」





これからの覚悟を言う。
その声はもう決意をした声だった。





「A、お前は教官だ。
しかし、お前は本当に才能のある者だけを育てたいのか?」

『……』





Aに助言をする。
これがAを救ってくれると良いな、と思いながら。





「じゃあな」





最期の別れを言って手をあげる。







あとちょっと走れば大切な人を守れる。

しかし、「来るな」と言われた。


Aは絶望感の多さに携帯を落とす。






『織田さん、さようなら』






空を見上げてAは呟く。


落ちた携帯を拾ってポートマフィアに戻る。

雨は止み、光がAと織田を照らす。





『……私は"また"大事な人を死なせてしまった』





Aの声は震え、目には涙が溜まっていた。

頑張ってみるは。→←嫌な音は。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
167人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年2月12日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。