倒れたは。 ページ21
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兎に角、あまり時間を取りたくない。Qちゃんを奪還するのにもかなり面倒くさそうだし。
そう思いながら、ツリーくんの異能と私の異能は交わって対立していた。
これは異能の消耗戦になるかなぁ…
なら___
『よっと』
"毒の手"の死角に周り、一気にツリーくんとの間合いを詰める。
いきなりのことに、ツリーくんは目を見開いていた。
そんなことはお構い無しに、ちょうど持っていたバタフライナイフを振るう。
よく私持っていたな。物騒にも程がある。
まぁ、接近戦で有利なのは銃よりナイフだしね。最近ナイフの扱いを生徒達に教えてて良かったぁ…
そんな呑気なことを考えながら、急所である首を狙う。ツリーくんは、自身を守るために木でナイフを止めた。
足が無防備になってんね。
舌を出しながら足を払って倒れこませた私は、ナイフを木に刺したまま、ツリーくんに乗っかる。
『さぁーて。ちょっと気絶してもらうよ』
ツリーくんは反撃しようとしたがもう遅い。
私はグーでツリーくんの腹を攻撃した。
顔だとなんか可哀想だし端正なお顔が台無しになっちゃう。
そして、腹に溜まっていた息が、口から吐き出されてツリーくんは倒れてしまった。
『よっし終わりっと…手こずったなぁ』
もーやだやだ、と呟いてひぐちゃんに連絡。
プルプルと携帯が揺れる。
すると____
「あはは…やっぱり無防備だよ、教育官さん…
やれ、ラヴクラフト」
『っ!?なんで気絶してない___がっ……』
片方の足…いや、どっちの足に痛みが走る。
何をされた?気配が読めない。誰?ラヴクラフト?
そこで私は気絶した。
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作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年2月12日 11時