遊園地は。 ページ3
昨日の雨が嘘のように、空は快晴だった。
休みだからだろうか、夜に栄えるヨコハマも午前である時間は混んでいた。
「人混み怖」と考えていながらそれを眺めていると、つんつん、と裾を引っ張られた。
「A、早くしないと、この券が有効にならなくなるわよ!」
『その券は明日まであるんだから大丈夫だよ』
無視されて、走りながらお目当ての遊園地まで引っ張られる。
いつも通り可愛いな、と笑いながらエリス嬢の思うがままになる。
頭の中では、他のことを考えていたが。
抗争中なのにも関わらず、何故ほのぼのと遊園地に言っているのかと言うと、森先生からのお願いである。
朝、森先生へ書類を届けに執務室へ向かった。
「Aちゃん…タスケテ……」
部屋を開けた途端、森先生が床に倒れていた。反射的に廊下へ逃げた。
その途端「違う!怪しくないから戻って!」という叫びを聞き、身構えながらも話を聞くことにした。
「私の代わりにエリスちゃんとある遊園地に行って欲しいのだよ」
『遊園地?』
「うん、しかもVIP限定」
え、つまりエリス嬢とキャッキャウフフしていいと?
「しかも今日と明日の限定なのだよ」
明日にしようじゃないか、と言うがエリスちゃんはどうしても今日がいいらしく、駄々をこねた結果、私となったらしい。
いや、でも抗争真っ只中だし織田さんの事もあるし……
『…エリス嬢は?』
「もう着替え終わってて行くき満タンなのだよぉ」
これで振ったら確かに森先生に被害が及ぶな。
別にこっちは知ったこっちゃないけど。
でも__
『エリス嬢と遊びたいな』
「じゃあ行きましょ!」
バンッと音がした方を見るとエリス嬢がクローゼットから現れた。
え、クローゼット?え?怖。
森先生に小遣いを貰い、楽しそうなエリス嬢とむすーとしているエリス嬢を合計100枚撮ってきて!とお願いされた。
『というかなんで森先生が行かないの』
「そりゃあ特務課との会合だよ」
『は?』
"特務課"だと?
『坂口さ_』
「A、お小遣い貰ったから行くわよ!」
遮るようにエリス嬢が手を引っ張る。
森先生は丁度いいと言わんばかりの顔で「いってらっしゃい」とにこやかに手を振った。
それ以上は聞くことができず、私はエリス嬢の背中を着いていった。
___何故森先生の口から"特務課"が出た?偶然だろうか。
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あと1週間で期末なんですけど泣きますよ?
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作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年2月12日 11時