だぁれ、は。 ページ15
敦くんside
太宰さんがドッグフードを食べたせいで腹を壊し、トイレにこもってから数十分後。
アナウンスが聞こえ、列車が着く。
中から春野さんとナオミさんが姿を現す。
僕は二人の名前を呼び、すぐに駆け寄った。
「ご無事でしたか!」
「えぇ……でも真逆、事務員が狙われるなんて」
「安心してください!僕たちが避難地点まで護衛しますから」
探偵社はポートマフィア等の組織に比べて戦闘系の、いや異能力者が少ない。
僕は異能者の一人。
今度は僕が、この力で探偵社の借りを返すんだ。
心に誓う。するとナオミさんが思い出したように後ろを向いた。
「そうだ、紹介しますわ!
列車の中で知り合ったのですけど…」
ナオミさんに続いて見ると、そこには小さな子供がいた。
男の子は真っ直ぐ僕の方に来るとぶつかってくる。
そして後ろを向く。
子供の顔を見た瞬間、全身の毛が逆だった。
___この子は危険だ。
「籠のなぁかのとぉりぃは〜♪」
誰しも聞いた事のある歌を歌いながら、服の袖を捲る。
腕には、包帯と一緒にカミソリが巻かれていた。
あれでは、軽くぶつかっただけでも大きな怪我をしてしまう。
さっき僕とぶつかった箇所には、血が出ている。
何故、僕にぶつかってきたんだ?
「いつぃつ出遣ぁる〜…後ろの正面だぁれ?」
歌い終わると同時に、子供が持っていた人形が不気味に笑い出した。
口を開けてと見つめていると、後ろにいた春野さんの様子がおかしくなる。
見ると、目からは赤黒い血が出ている。
一瞬の隙に春野さんは僕の首を掴んだ。
「ぐっ…!」
「あはは、おねえさんをなんとかしなきゃ殺されちゃうよ?」
敵の、異能攻撃!?
「敦さん!?」
ナオミの声が聞こえる。
でも、驚いてる場合じゃない。
今は太宰さんもいない。僕が皆を守らないと…!
__守るだと?
__笑わせるな餓鬼が。
__貴様如きが何を守れる?
違う違う違う違う!
今の僕は、もう昔の僕じゃない。
僕には、力があるんだっ!
僕は異能を解放した。
ーーーーー
141人!!???
え、いつの間に?え?え?え?
あ、ありがとうございます!生き返ります!え、傷口が回復したぁ!
もう感激です。これからも頑張ります!
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作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年2月12日 11時