列車では。 ページ14
Qちゃんと話してから数時間後。
しかし、あちらは上手くいっただろうか。
心の中で心配の声を出しながら、横目で窓の外を見る。
そして再びタブレットに目を向ける。
私たちのいる場所は列車の中。
賑やかな街並みの風景から、今はもう自然豊かな森いっぱいの風景へと変化している。
タブレットと睨めっこしていると、横からQちゃんが声をかけてくれる。
「ねぇAさん。そのタブレットに何が書いてるの?」
『教え子の経過記録。結構大変なんだよねー、1日に数十人以上見て経過を首領に報告して次の段階とかグループ分けとかするの』
「ふぅん、教官って大変だね」
『だよね、しかも書類付きだよ?グループ分けとかさぁ仲の悪__』
「そうなんだね、じゃあ早くやれば早く終わるね」
『……ハイ。その通りです』
いつからこんなに頭が回るようになったのだろう。
仕事をしながら暫く他愛のない話をしていると、私の携帯からアラームが鳴る。
さて、そろそろかな。
『Qちゃん、そろそろ準備しよっか』
「はーい!」
元気よく返事をしてくれた。
なんて可愛い。
髪を縛って、カラーコンタクトを付ける。
『じゃあ、あとは教えた通りにね』
「うん!後でね!」
席を立ち、私は車掌室へと向かう。
車両室の中ではひとりの男が忙しなく動く。
そして、私に気づく。
「あぁ、点検の方でしょうか。今日もお願いします」
『はい』
そして、空の鞄を床に置いた。
『そういえば貴方にお話がありまして』
「は___」
"毒の手"が車掌を掴む。
『ちょっとばかり付き合って貰いませんかね』
"組合"と繋がりのある人物は叫び声をあげた。
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作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年2月12日 11時