世界は残酷だ【HQ】【男主】

14．運命 ページ26

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「葵！自分、どうしたん？メールも返信せえへんし！ずっと学校来ないし…！」

俺は久々に学校に来た。
そんな俺を見て侑は1番に飛びついたがここで侑に甘えてしまったらこの場で泣いてしまうかもしれない。
そして何よりなんていえばいいのか分からない。
「大丈夫。ちょっとね」と微笑み席についた。

「葵は急だが明日転校することになった」

先生の言葉に1番に反応したのは侑でガタッと音を立てて立った。

「な、なんなん！？なんでなん！？そんなこと一言も…」
「…放課後話すから」

侑は「わかった」と席につく。
「短い間でしたがありがとうございました。楽しかったです。」と短く言い俺は席についた。
嘘ではない。体育祭とか本当に楽しかった。
ただ、侑と最後のこの日くらい外は晴れてて欲しかった。


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「なんやそれ…俺ら悪くないやんか…！差別するようなやつらのために俺らは離れなあかんの！？」

放課後、今までの事を話すと侑はやはり怒った。
しかし、いつも通りの怒りではなく精神的に参ったような…俺の語彙力では伝えきれないほど、疲れている表情だった。
そりゃそうだ。
いじめられ続けて4ヶ月経ち、冬休みにそろそろ入って2人だけの時間を過ごすつもりが突然連絡が途絶え、会えたと思ったら明日からもう会えないよという報告を受ける。
俺よりもよっぽど精神的にくるだろう。

「なぁ葵」
「なんや侑」
「心中せん？」


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そこからの行動は早かった。
俺らが紙に書いた遺書を置いても親や学校側が隠す可能性がある。
ということで俺らは急遽、リイッターというSNSでアカウントを作り遺書を載せることにした。
内容は直ぐに書き終わった。
後は投稿するだけ。

「兵庫県、稲荷崎高校3年の宮侑と桐島葵はこの屋上から飛び降ります。みなさん明日のニュースでお会いしましょう。」

というツイートとともに屋上の写真、俺らのツーショット、遺書を載せた。
遺書というよりも世界に呼びかけるような感じにはなってしまったが…
見て見ぬふりをされるであろうと思っていたが少し様子を見ていたら一気にいいねやRT、コメントが来る。
中には『いいね稼ぎ乙ー』などその投稿がネタであるとなんの証拠もなく断定したアンチコメントもある。

「ここまで注目されたなら大事になるやろ」

侑はにししと笑った。
久々に見たいたずらっ子な笑顔に俺もつられてわらった。


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