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俺らのグループから抜けて、
好きなところでやりたいようにやって、
上を目指してやまないコイツを追いかける人間は
数え切れないほどいるだろう。
そんな人間を大量に抱える絶対的に自信のある目。
スターの目...?とでも言えばいいのか。
俺には無い、心が闇にまみれそうだ。
「まぁね。それなりに。」
「相変わらずだな?てか藤ヶ谷、連絡先全部変えたべ、
新しいの教えてよ」
「いいけど。」
...
「うお、あんがとな、今度飯行こうぜ」
どうしようか、
それから健永や渉とも当たり障りない交流をして
「んじゃ、本番でなー。」
なんて軽く、俺らの楽屋を出ていった。
_______番組収録後。
「藤ヶ谷ー、」
「なに?」
「このあと、暇?」
「要件先に言えよ」
「あぁそっか、ほら、飯行こうぜ、って。」
「飯、」
「そー、今度とは言ったけどさ、
その今度にしたらお前逃げるべ」
「...そんなことないけど、
今日でしょ?いいよ。空いてる。」
「うい、肉でいい?」
「いいよ。」
「了解。ほんじゃまた夜」
軽く口角を上げて俺の進行方向の反対へと進んでいく。
俺も俺でまだ他の仕事あるし、
仕事終わるまで何も考えないでいられるのは気が楽だ。
それ以降の仕事の休憩時間。
今やもう変更された名前も馴染んできたXで
エゴサをする。
2022あたりのポストは見るに堪えないものばかりだ。
『今日もまた北山くん元気なかった』
『いい加減ハブるのもやめたら?』
『嫌いなのはわかったから
プロ意識で表ぐらい仲良くしてよ』
その通り過ぎて反吐も出なかった。
北山が羨ましくて、北山に憧れを抱いて
それを習って自分なりに行動すれば
媚び売りだとか、らしくないだとか言われて、
それを北山に当てつけてたんだ。
最近はこれらを見て自制するのが日々の習慣。
嫌いなわけじゃないんだよ、
ただ、どうしていいかわからなかっただけで。
卒業を発表してからの北山は
俺の事なんて眼中になさそうにしてた。
あの寂しそうな眼は消えていた。
内心その眼で北山は俺を諦めてないって自信があって
とんでもないほど自惚れてた。
北山は俺を必要としている。
北山のシンメは俺だけだ。
北山は______...
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作者名:Cuz | 作成日時:2019年8月26日 12時