君と僕だけの時間 2

作戦 ページ27

翌日、拓也君は駅まで迎えに来てくれた。
「おはよう、A」
私に会うなり、突然抱き付いてきた。
『ちょっと！朝から恥ずかしいよ！』
「一昨日Aに会ってへんから、その分のハグやで？」
『もう、離してよ！』
とぼけた顔の拓也君を突き放す。
私の不機嫌な顔を見た拓也君は、落ち込んで肩を落とす。
「……ごめん」
少し強く言い過ぎたかな？
心配になり、拓也君の元に駆け寄った。






「……引っ掛かったな」





そう言って、私の唇に優しくキスをした。
『……何してるの』
「何って、おはようのキスやけど？」
拓也君は再びとぼけた顔をした。
朝から彼に振り回され、何故か嬉しかった。
彼と一緒にいれるからだろうか。









「A！おはよう！！」
教室に入り席に着くと、あきら君がやって来た。
「……もう少し休んでて良かったんやで？」
そして、隣の席の拓也君を見る。
「早く学校来ないと、お前が心配やからな」
「は？どういう意味それ」
「義勝からLINEで話は聞いてるからな」
「うっ……。てゆうか、何で義勝が拓也にLINEしてんの？」
「……その件で話がある」
拓也君が真剣な表情であきら君に言う。
「放課後、しげとキュウソのみんなを集めて欲しい」





「文化祭でええ事思いついてん。KOUHEIを懲らしめる為の作戦をな」
拓也君の不気味な笑顔。
一体、何をする気なの？

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