Agapanthus (ページ4)

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･JN

いつものダンス練習室。

いつものホソガの扱きが入って、僕はもうクタクタで。

だけどマンネたちは体力があるから何やら騒がしい。

TH｢あぁーーーっ！もう可愛すぎる！！｣

テヒョンイの結構ガチっぽい物言いに体を起こす。

なんだなんだとマンネたちの周りに集まるほかのメンバー。

結局みんな集結しちゃった。

JM｢控えめに言って抱きたいよね。｣

JK｢はぁ、最低。まずはお友だちから始めないと。｣

わあ、なにやら不穏な話。

これがもし世間に聞かれてたら僕たちやばいよ。

YG｢何の話だよ。｣

集まりの後ろの方にいる僕とユンギは、みんなが囲むスマホの画面が見えない。

HS｢カン･Aくんの新CMみて心揺さぶられてるんだよ、マンネたち。｣

NM｢いやぁ、この香水爆売れするんじゃないか。｣

TH｢俺、今日この香水買ってから会いに行く！｣

JK｢あっ、俺も。｣

JM｢全員同じ匂いになるじゃん。引かれるって。｣

カン･Aくん。

未成年だよね。

誰だ、さっき抱きたいとか言ってた人は！

TH｢キャラクターもいいよね。あんまり空気読まないところとか好き！｣

JM｢テヒョンアが言えたことじゃないけど分かる！特にバラエティー番組でトークが得意じゃないことが如実に現れてるとことか好き！｣

JK｢多分本人はちゃんと返してるつもりなんだろうけど結構テキトーに返事してるのも好き！｣

どうしよう、マンネ3人が歪みすぎてる。

HS｢あの子のドラマ、不思議とみちゃうんだよね。｣

それは僕もそうだ。

YG｢たまにミュージックビデオにも出たりするよな。画面絶対見ちゃうわ。｣

僕も。

NM｢次が最終回のドラマも毎週録画して見てるぞ。どうしてかあの子の前だと涙腺が緩まる。｣

……僕も。

僕らがデビューする前から有名な子役で、一時期勉強期間に入ってぱったりと姿を見せなくなったけどその間も国民は再放送の過去の作品を見漁ってた。

僕だって例外じゃない。

そのくらい超絶人気で……僕らの中のアイドルだ。

HS｢あと三時間で会えるんだ。それまでみっちり練習しよう。｣

ホソガの一声でスマホは暗くなり、また練習に入った。

そう。

あと三時間で憧れのあの子と、堂々と会える。

Aくんのドラマの主題歌を手がけることになったからね。

これでまたひとつ(･････)、接点が増えた。

Aくん。

僕ら意外と、君の近くにいるんだよ。