ラプラスの天使【d!】 (ページ9)

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第9話ページ9

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あの後、朝ごはん、昼ごはんの時間になってもトントンくんとグルッペンくんは帰ってこなかった。

ゾムくん達もこんなことは初めてのことだったようで、晩ごはんの時間になるまでソワソワしていた。

「お、あれグルちゃんやない？」

「ほんまや！トン氏も帰ってきた！」

晩ご飯を4人分配ろうとしていた所、外にいたコネシマくんが叫んだ。それを聞いて皆も駆け寄る。

遅れて私も行くと、森の中からフードを被った人2人。
グルッペンくんとトントンくんだ！

「おい、お前ら顔も見えんへん相手に手振るな。敵やったらどないする気や」

ごめんなさい…

「はいお前ら明後日はデザートなしー！」

グルッペンくんに怒られた後、トントンくんの一言に3人は「えぇー！」と口を揃えて言った。何故今日じゃなくて明後日？

皆中へ入り、すぐにご飯をよそう。
今日はパンとほうれん草のシチュー。ゾムくんが作ってくれた。

その隣のゾムくんを見ると、よそわれたシチューをじーっと見ている。

「美味しそうだね」

「あ、うん」

ちょっと素っ気ない返事。嫌いな食べ物でも入ってたのかな？いやこれゾムくんが作ってたじゃん。

何か考え事かな、と思うことにして私もスプーンを手に取る。もう食べてもいいのか、周りを盗み見ると、皆黙々と食べ始める。私はそれを不思議に思った。

「どうしたんA」

「…いや何でもない、私も考え事」

「え？あぁ、そか」

ゾムくんに言われて私も皆に合わせて、何も言わず何も願わずに食べ始めた。美味しい。

「あ、そういえば今日グルッぺンくん達はどこ行ってたの？」

「ん？あーそれは」

「忘れとったけど今日市場で果物めっちゃ買ってきたで」

トントンくんが横の袋を引き寄せて、皆に見せる。マンゴー、パイナップル、苺がゴロゴロ入っていた。

それに皆がわーわー言っていると

「それより俺はお前がなんでこんなことになっているのかが知りたい」

「私の？」

「お前以外に誰がいるんだ？」

グルッペンくんにじっと見つめられて、こんな時なのに異性を考えてしまう。
周りを見ると、今更だが皆顔が整っていてかっこいいと思った。そこでやっと気付く。

私以外皆男の子…

前までは命の危機でちゃんと周りを見てなかったけど、それが薄れてきてよくよく考えてみると私、男の子の中に一人入ろうとしてるのか…

そう思うとなんだか恥ずかしくなってきた。

「ん、顔が……どうした熱か？」

「違います何でもないです…」

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