ラプラスの天使【d!】 (ページ6)

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第6話ページ6

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「え、…手」

そう言って駆け寄ってきたのは私を最初に助けてくれた人、ゾムくんだった。

「手、爪剥がれとるやんっ…！」

「あっ……」

私の手を取って凝視する。私自身もちゃんと見たのは初めてだったので、自分の指がこんなになってたとは思わなかった。

うわっ…血、凄い剥がれてる…どうしよ…

「あっ、お、俺の手袋使う？」

ゾムくんは自ら付けていた手袋を取って渡してくれた。

わぁなんて優しいんだろう！

「これ付けとったら大丈夫や！外から見えへんし！」

「ありがとう、でもゾムくんこれ指の所ないよ」

「えっ」

付けて見せてあげると、手の中心しか布がない系の物で、しっかり指は見えていた。

「す、すまん…！ずっと付けとったからそういうの全っ然忘れとったわ…」

「うん、大丈夫…」

「アーッハッハッハっ！アホ過ぎやろお前！」

「ほんっとアホやなぁ～ゾムは」

「シャオロンお前にだけは言われたないわ！洋式トイレの使い方分からんくて便座に足乗っけて大便してたくせにっ！」

「うるっさいわっ！今言わんでええやろ！」

今にも取っ組み合いが始まりそうな雰囲気…

「おめぇらうっさいわっ！！明日早いんやからはよう寝んかいっ！」

トントンくんの叱り声で3人はシュンと縮こまる。口々に舌打ちやらなんやらした後、寝る準備をしだした。

仲、悪いのかな…？

私の手に関しては、トントンくんが手当をしてくれて、手袋まで貸してくれた。今度は指先まで布があった。

「おい……おいお前っ……………Aっ！」

「はいっ…！」

急に大声で名前を呼ばれて振り返ると、コネシマくん？が直ぐ返事しろや…と言いたげな顔で「ん」と麻でできた布、いや布団か、布団を渡してくれた。

ありがとう、とは一応言ったものの、"お前"じゃ私を呼んでるのか分かんないよ…と不満をつのらせていた。

「あの……」

「ん？」

隣で寝ることにしたゾムくんに話しかける。

「私…この夜が明けたら……ここを出ていかなくちゃいけない、よね…」

この問に対して、ゾムくんは天井をじっと見つめていた。

「…明日グルッペンに聞いてみるわ。じゃあおやすみ」

「うん、おやすみ…」

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