ラプラスの天使【d!】 (ページ3)

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第3話＊ページ3

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「おーいゾーム！」

うわっ…あのポテトめっちゃ美味そ…

「おいゾムっ！………ゾム？聞いとんか？」

「うおっ！な、なんや！」

ちゃんと聞けや、とシッマに怒られる。
俺は悪ない。あの匂いのせいや。

「ここら辺は神官の奴らとかがウロチョロしとる所やからしっかりフード被っとけって」

「あぁ、了解ぃ」

せやった。ポテトの列並んどるお子ちゃまみたいに呑気な事考えとる場合やない。俺らには大事な仕事があるんや。そっちに集中せな。

深くフードを被り直し、できるだけ下を見て歩く。

「きゃっ！」

「あ、すいません！」

同い年くらいの女の子とぶつかってしまった。路地裏から走ってきたようだった。

俺は直ぐに謝り、その場から立ち去ろうとすると、

「あ、あのっ！助けてくださいっ…！」

目は赤く腫れ、髪はボサボサ。所々擦り傷や打撲ができていて、コートの裾を掴む手はブルブルと震えていた。

「えっ……あ……」

ど、ど、どうすればええんや…

シッマっ！…

前を向くと、皆はもう奥の方へ行って見える。
ヤバいっ！見失ってまうっ！

走り出そうとするが、その子の手は俺のコートをぎゅっと握りしめて絶対に離しそうになかった。

「えと…じゃあ、他の皆にも聞いてみるからここで待ってて？」

皆を連れ戻して来る、と言って再び走り出そうとする。

「待ってっ！！私も一緒に連れてってっ！！」

後ろを振り向くと、何かから逃げてる…怯えてるようだった。チラチラと後ろを確認しながら俺に訴えかける。

「お願いっ！私変な人達に追われてるのっ！！」

「え？」

「捕まったら殺されちゃうかもしれないっ！！だからお願いっ！私も一緒に行かせてっ！！」

遂には土下座までし出した。

「えっ、お、おい！こんな町のど真ん中でやめろやっ！目立つやろっ！」

周りを気にするが、祭りの音の方が大きく、誰も気付いていないようだった。

「わ、分かったから！はよ着いてきっ！」

「！！っありがとうっ！」

でも皆がええって言うかは知らんからな。

俺はダッシュで皆の所まで追い付き、遅いわっ！とまたシャオロンに怒られてしまった。

行くぞ、と言ってまた歩き始める皆を呼び止める。

「あの、皆に相談したい事があんねん」

めっちゃ速く走ったからもしかしたら着いてこれてへんかもしれん…と思いながら後ろを振り返る。すると、

「助けてください…」

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