彼女は青空と僕が嫌いだった【ヒプマイ】

幻太郎side ページ10

疲れた…。




そのまま床にバタッと倒れ込む。




身体中が重くて、どっと疲れが一気に増していく感覚だ。





久しぶりに、ハイペースで原稿を書いたせいかかなり肩が凝った気がする。






Aが帰ってから、20分。





やっぱり、送っていった方が良かっただろうかなどと、思いながら時計を見つめる。







その思考と同時に玄関から、煩い声が聞こえてきた。






「おーい！！邪魔すんぞー！」





幻「……帝統。何しに来たんです？」






倒れた小生を呆然と見つめる帝統。





帝「お前、死んだ蝉みたいだな…」






幻「はぁ、文句を言いに来ただけですか…？なんなら、今すぐ帰ってもらっても…」







帝「申し訳ございません！幻太郎様！！」






倒れている小生に、向かって土下座をする帝統に呆れつつ、重たい身体を起こした。







幻「で？要件は？」








帝「良ければ飯をお恵み下さいませんか…？」









この男に、プライドというのは無いのだろうか…








幻「またですか？」







帝「いやー…後ちょっとだったんだけどな！」







彼の中の後ちょっととは…。







どうせ、賭け事だろうとまた呆れるが仕方なく帝統の頭を叩いて、土下座を止めさせる。






幻「食べたら、すぐ帰ってください」








そう言うと、帝統は「ありがとうございます！」と言いながら、着いてきた。







全く持って、この男はプライドという文字を知っているのか呆れながらそう思った。

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