第13話 ページ14
9年後
とうとう勇者が選ばれる日が来た。
私達は精神的にも身体的にも成長したし、戦いの経験だってたくさん積んだ。
村長からの発表を聞くため、村の広場に集まる。
すると突然、何者かに肩を組まれた。
「おいA、いよいよだな！」
「耳元で騒がないでよ」
すっかり背が伸びたジェイルだ。毎日稽古をしているからか、身体も昔と比べてガッシリしている。
声変わりもしてはいるが、性格は昔とあまり変わらない。
「こらジェイル、Aが困ってるだろ」
フーザも相変わらずジェイルの世話を焼いている。だが私には、フーザの魔力量が格段に上がっているのがわかった。
2人とも強くなったんだな。
「さて、いよいよ今年の勇者の発表です！」
村長が叫ぶと、村人はシンと静まった。
「なんと今年の勇者は全員、この村の者です！ 例年ならば出身がバラけるのですが… これは極めて珍しい！
では発表します。会議の結果、今年の勇者は…
A・A、フーザ・ディアス、ジェイル・ボガザ。この3名に決定いたしました！」
ワッと歓声が上がり、私達に拍手が向けられた。
「やったねA。僕達が勇者だ」
「うん、頑張ったかいがあったね」
「燃えてきたな！」
ジェイルが私の背中をバシバシ叩く。
そういえば、アルワンダは勇者に選ばれなかったのだろうか。顔を見たかったが、戦闘は苦手と言っていたし仕方ないのか…
どちらにせよ、私達が魔王を倒して会いに行けばいいだけの話だ。もしかしたら旅の途中で会える可能性もある。
「勇者の皆さん、明日から魔王討伐の準備に取り掛かってもらいます！ 今日はゆっくり休んで、明日に備えてください。
貴方たちは私達の、いや、世界中の希望です。応援していますぞ！」
村長がそう叫ぶと、村人達は「頑張れー！」「魔王なんかやっつけちゃって！」と応援してくれた。
母と父も応援してくれている。
この人たちの期待を裏切らないために、世界を平和にするために頑張らなくてはいけない。責任重大だ。
明日からいよいよ討伐の準備。気合いを入れよう。
私はギュッと拳を握った。
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (
レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猩々 | 作成日時：2020年11月6日 14時
