才虎芽斗吏を娶り隊！

病み上がりは心配されるもの 前編 ページ35

皆さんは得体の知れないものに付きまとわれたら一体どうするだろうか？

私は無視することが一番だと思う。


…でも、それがストーカーならすぐに警察に相談することをおすすめする。
自分に何かあった後ではもう遅いのだ。






私が何故こんな話をしているか…それは得体の知れない幽霊に付きまとわれているからだ。


…昨日の事件以来、「自称」守護霊に付きまとわれてしまった。


それが昨日の『波長合わせ』の副作用なのか、悪霊と接触したことにより幽霊を呼び寄せる体質になってしまったのかはまだ分からない。


だけど、まだこの幽霊に接触するのは危険が伴う。もしかしたら悪霊かもしれないし、守護霊でもないかもしれない。


だから私は無視を突き通している。


この幽霊…見た目は私達と同じくらいの男子高生に見えるのだが、油断は禁物だ。



…とりあえず、鳥束に相談しよう。




…早く学校へ行かないと。

幽霊「あ、待ってよ！僕もついてく！」








学校へ着くと丁度校門の前で才虎君と鉢合わせた。



『おはよう！才虎君。体調は大丈夫？』


芽斗吏「…これが大丈夫に見えるか？」


才虎君の顔には隈ができていた。

まさか、また悪霊に…！？


芽斗吏「昨日は兄さんに色々と心配されたからな…。午前２時に寝て…ふわぁ…。」


才虎君は寝ぼけ眼でそう言った。


『まあ、それだけお兄さんに愛されてると…。』







『おはよ…ってなにこれ。』


教室に着くと、私の周り…いや、正確には才虎君の周りに人が集まってきた。



海藤「おお才虎。昨日は大丈夫だったのか？」



照橋「才虎君、心配したよ？昨日、急に倒れたから…。」




芽斗吏「…なんだ、この貧乏人の群れは…。金か？金なのか！？」



そう、私に向かって囁いてきた。
才虎君に囁かれるのは慣れないけどこれは心配しているのだろう。

端から見ても分かる光景だ。


しかも照橋さんに心配されてる時、顔を赤くしてたし。


才虎君はまだ照橋さんを諦めていないのか…。


窪谷須「才虎…。はっ、まだ治ってないんじゃないのか？隈ができてんぞ。」





芽斗吏「違う、これはただの寝不足だ。」


『昨日はあれやこれやと大変だったからすぐに眠れなかったのはお互い様だよ。…才虎君の寝顔、可愛かったなあ。(苦しそうだったけど)』


その言葉が誤解を生んだとはつゆ知らず、クラス中が固まった。


芽斗吏「…どうしたんだ？急に静かになったぞ？」



『…さあ？才虎君なんか言った？』

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