才虎芽斗吏を娶り隊！

正しい悪霊の祓い方 中編 ページ31

そして、加藤さんがこの部屋から出ていくと早速作戦会議が行われた。


『…これからどうするつもりなの？除霊出来ないんじゃ意味無いじゃん。』



鳥束「えーと、待って下さいよ…。…斉木さん！なんとかならないっスか！？」


斉木「無理だな。…まあでも幽霊には幽霊と言うしこれからお前を幽霊にしてやろうか？」


真剣な様子で手を構える斉木君。

流石の鳥束も冗談ではないと悟り、2・3歩後ろに下がった。


鳥束と斉木君が駄目だとなると…後は芽斗羅さんだけか…。

肝心の芽斗羅さんはずっと才虎君を見てボーッとしている。


才虎君に出来た火傷の痕はまた広がっていた。

その様子を見て芽斗羅さんは拳を強く握る。
そしてぼそりと呟いた。


芽斗羅「…もっと早く君が気がついていればこんなことにはならなかったんだ。」


『…え？』


芽斗羅「…！ごめん。なに言ってんだろ、僕。」


直ぐに我に帰り謝罪をしてくる芽斗羅さん。

…これは仕方のないことだ。
私があの時才虎君を気遣っていれば最悪の事態にはならなかっただろう。


…私が一番才虎君の近くにいたのに。


これは私の責任だ。


…誰かに頼っていては駄目だ。

弱気になるな。
しっかりしろ、私。
自分でなんとかしてみせろ！


『…鳥束。幽霊が見えるようにする事って出来る？』


鳥束「ええ？…いや、出来ないことはないっスけど…。」



『それ、どうするの？』


鳥束の肩をがっしりとつかみ、真剣な眼差しでしっかりと見た。

私の思いが通じたのか、やれやれという表情で立ち上がった。


鳥束「仕方ないっスね…。じゃあその方法、教えてあげるっスよ。」


斉木「…そんな事出来るのか？」


鳥束「寺生まれなめないでください！でも、その方法は危険も伴うっスけど、覚悟はいいですか？」



『うん。才虎君のためなら、何でも！』


鳥束「分かりました。今から行うのは『波長合わせ』という技です。…まず、幽霊の波長というものがあり、似た波長の人には幽霊が見えるようになります。俺はその波長を合わせて会話が出来るようにします。」


芽斗羅「んで、危険っていうのは何なの？」



鳥束「よく聞いてくれました。この技を長く使うと幽霊の波長に合ってしまい、よく悪霊に憑かれるんです。だから長くても…5分、ですかね。」


５分か…。
案外短いな…。



鳥束「どうしますか？止めるのなら今ですよ？」



『…いや、やるよ。』


才虎君、もう少し待ってて。
私が何とかしてみせるから。

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