side:ユウゴ ページ35
Aは静かに目を閉じてため息を吐くと、ゆっくり目を開けて口を開く。
「本当は俺一人で十分だけど、それはユウゴとルーカスが納得しないだろ。だから俺とユウゴ、ルーカスで行く。他は全員逃げろ」
「なら俺も!!」
レイが必死とでもいうように声を上げる。
「お前が残るなら俺も残る。お前だけに背負わせな」
Aはレイの頭を撫でる。優しく、慈愛の満ちた手つきで。
それでいて、突き放すように。
「レイ、お前は逃げるんだ」
「でも」
「お前の手を汚したくないんだ。汚さないで。お願いだから。」
レイの右手を両手で包み込む。
そして、祈るように、懇願するように、
Aはレイの掌に口付けをする。
「行け」
「絶対生きて帰ってこい。それが条件だ。」
「あぁ。約束する。」
そして、俺とルーカス、A以外は逃げて行った。
「で、どうすんだ。マスクは2つしかないぞ」
「お前ら2人が使え。俺には必要ない」
「何言って」
「いざとなったら一人殺したときにでも回収する」
そう言ってシェルターに入っていく。
その時に見た。Aは今、拳銃一丁とナイフ一本。
傍から見れば手ぶらで、無防備な姿。
「A!お前」
「俺は死なない。お前らも死なせない。武器は無駄に大きいものよりも小さいものの方がいい。
これは謂わば暗殺。
俺の、得意分野だ。」
そう言うとAはシェルター内を駆け抜けていく。音もなく、気配も断ち切り。
そして、敵の背後に、いる。
一人、また一人と斃していく。
俺とルーカスが手を出す前に、無駄な動きもなく、ただ淡々と。
「残すは、アンドリュー。」
「A…お前…」
「何」
「何でお前一人で…お前だけが背負う必要なんてないんだぞ」
「…ハハッ背負う?何を?人を殺した事実を?俺が、そんなもの背負っているように見えるのか?俺は、お前らが思っているより非道だ」
そして、ついに敵のリーダーの背後を取って、引き金を引いた。
「さようなら」
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Iroha - とても、面白かったです!! 続き楽しみにしています。 頑張ってください。応援してます。 (2021年7月24日 9時) (レス) id: c029d8357c (このIDを非表示/違反報告)
アニメ最高(プロフ) - 翼さん» 恋愛要素入れます(ねじ込みます)。相手はレイですのでBLになってしまうのでそういうのが苦手だったらすみません。それでも大丈夫なのでしたら、これからも楽しんでいただけたら幸いです! (2021年2月10日 21時) (レス) id: 7a61fb7eb0 (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - 恋愛要素入れて欲しいです (2021年2月10日 19時) (レス) id: 6bef14721c (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - 恋愛要素入れて欲しいです (2021年2月10日 19時) (レス) id: 6bef14721c (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - 男主なので恋愛はあまり…かなぁと思いました。入れるとしたら女性との恋愛の場合はきにしないのですが、男性との恋愛の場合はタグに気をつけてください! (2021年2月1日 0時) (レス) id: baa494e620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アニメ最高 | 作成日時:2021年1月27日 10時