信じて 前編 ページ26
芽斗吏「…(人１)？」
その声がアイツの声だとすぐに分かった。
もう、この声を一生聞きたくないと思っていたからだろうか。
何故かその声は俺の頭に強く印象付けられた。
やがて扉が開き、(人１)が息を切らして部屋の中へ駆け込もうとする。
だがその前に黒服二人によって手を拘束されてしまい、身動きが取れない状態になってしまった。
『止めてよ、離してっ…！って、才虎君！？』
今さら俺の存在に気がついたのか、目を見開き、こちらを見てくる(人１)。
すると、より一層抵抗しているが大人二人の腕力では流石の(人１)でも振りほどく事が出来なかったようだ。
黒服「もう一人侵入者を捕らえました。」
そう言われ、連れてこられたのは眼鏡貧乏だった。
芽斗吏「お前っ…！」
その冷静で何を考えているか分からない顔を見ていると無性に腹が立ってくる。
俺は無意識に拳を強く握った。
だが、そこでは俺は冷静を装い会話をする。
芽斗吏「よお、眼鏡貧乏に(人１)じゃないか。なんだ、俺様に祝ってでも欲しいのか？それはおめでとう。…そして、俺様の前から消え失せろ。」
敵意を込めた眼差しを二人に向ける。
すると、(人１)は驚いた顔をして俺に向かって反論してくる。
『お願い、私の話を聞いてよ！…才虎君！』
吉野「さあ、早くその侵入者を外へ連れていきなさい。」
(人１)が黒服に連れられて部屋の外へ強制的に出されようとする、その時だった。
斉木「…才虎。お前は…このままで良いのか？」
芽斗吏「…何を、言っている？」
斉木「…後悔するぞ。」
ポツリと眼鏡貧乏が呟き、(人１)と共に連れていかれる。
芽斗吏「…待て。」
…だが、俺はそれを制する。
その言葉を聞くと、黒服達はピタリと止まり俺の方を見た。
そして俺は吉野に向き直り、こう告げる。
芽斗吏「…少しの間だけ、拘束をといてくれないか？」
吉野「…！ですが…。」
芽斗吏「お願いだ。」
そう言うと吉野は仕方がないという顔をして、黒服に目配せをする。
すると、二人は解放されて自由になった。
『…才虎君。』
(人１)が俺に向かって真っ直ぐ歩いてくる。
…だが、俺は騙されない。
どうせコイツも他の奴等と同じなんだ。
きっと演技に決まっている。
(人１)は真剣な顔をこちらに向けながら、震えた声でこう告げた。
『才虎君…お願い。一人で抱え込まないでよ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まるー - いつもキュンキュンしながら読ませていただいています！この作品、本当に大好きです！更新これからも頑張ってください！ (2018年9月30日 21時) (
レス) id: b1555a1980 (このIDを非表示/違反報告)
リプトン(プロフ) - 亜乱さん» 更新遅れてすいません…！ちょっと最近ネタが無くなりつつあるので、その場の思い付きで書いているので更新が遅くなってしまいました。速く更新できるように気を付けていきますね！ (2018年9月25日 6時) (レス) id: 834b297079 (このIDを非表示/違反報告)
亜乱 - めさくそ続きが気になります！！それにしても才虎がか、可愛い…(( こうしんがんばです！！！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 7a4fd9fb97 (このIDを非表示/違反報告)
レミ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！この小説本当に大好きでいつも楽しく読ませていただいています！！更新いつも楽しみにしています、これからも頑張ってください！！ (2018年9月10日 23時) (レス) id: bcf4cc8d9e (このIDを非表示/違反報告)
黒枝 - とても面白いです！ 頑張ってくださいo(・`д・´｡)！ (2018年9月9日 17時) (レス) id: acc57dbcbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リプトン | 作成日時：2018年7月20日 18時
