・ ページ11
.
探し始めて15分。
ようやく見つけたAは、人気のない非常階段に居た。
声をかけても反応はなく、仕方なく俺らは正面に回ることに。
その瞬間、俺らは衝撃的な光景を目の当たりにした。
ab「っ、Aやめっ、！！」
fk「このっ、馬鹿野郎！！」
nb「佐久間！スタジオ行って救急箱取ってこい！！」
sk「わ、分かったっ、」
俺らにギリギリまで気付かなかったAは、俺の叫びにも反応せず、握りしめたカッターを左手首に押し当て、
――思い切り引いた。
珍しく声を荒げたふっかがカッターを取り上げて刃をしまう。
翔太の鋭い声で佐久間が駆け出す。
舘さんと照は手に持っていたタオルで傷口を塞ぎながら、座ったままだったAの体勢を整えていた。
sk「持ってきたっ、！」
dt「ダメだ、いつもより傷が深い…」
iw「とりあえず消毒しようっ、」
fk「俺っ、病院連れて行けないか聞いてくる…！」
みんながバタバタと動き回る中、俺はただ一人、ポツンの立ち竦むだけ。
頭の中だけパニクって何も出来ない自分に苛立った。
結局、稽古場の医務室に常駐のお医者さんが居て病院には行かずに済んだ。
処置をしてもらったり、先生と話をしたりする間、やっぱりAは何も話さず、曖昧に頷くばかり。
……もしかして、
今日のこれまでの様子を思い返して、俺の中で一つの仮説が浮かんでいた。
……信じたくはないけど。
医務室のベッドで横になり、みんなに囲まれているAに、俺は一枚の紙を見せた。
すると、小さな頷きが返ってきた。
fk「阿部ちゃん？どういうこと？」
ab「……Aは今、……聴こえてない」
sk「聴こえてない、って…耳が？なんで？」
ab「それは分からない。でも、今日の様子を見るに、今は両耳とも聴こえてないんじゃないかな……」
俺も含めて、6人全員が黙り込む。
信じたくないけど、聴こえていないのは事実であって。
どうすればいいのかが分からなかった。
そんな俺らを不安げに見上げていたAが、身体を起こして俺の服の袖を引く。
『ぁ、あの、さ、』
ab「うん、どうした？」
『いま、わたし喋れてる？声量、大丈夫…？聴こえてないと、不安で…っ、』
ab「うん、大丈夫だよ」
ゆっくりと口を動かせば伝わったみたいで、ありがとう…と返ってくる。
酷く喋りにくそうに、少しずつ、Aは事の次第を教えてくれた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
pira(プロフ) - おれんじさん» ありがとうございます！今からみます！ (2020年4月14日 23時) (
レス) id: ad614282e9 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - piraさん» 大変お待たせしました…！（７）の方でリクエストにお応えすることができましたので、ぜひ読んでみてください！ (2020年4月14日 18時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
pira(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！リクエストします！作者様は7G見てますか？？もし見ているようでしたら、主ちゃんが激辛ラーメン食べて、辛すぎて大泣きしてそれを阿部ちゃんとしょっぴーとさっくんが慰めるっていうのを見たいです！ (2020年3月29日 13時) (レス) id: b16cb11147 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - サエさん» リクエストありがとうございます！本当ごめんなさい！気付かずスルーしてしまっていました(汗) これからもご愛読よろしくお願い致します(^^) (2020年3月25日 23時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - いつも素敵なお話をありがとうございます！もしよければリクエストなのですが、昨日あったSnowManYouTube2時間生放送を見たいです！！お忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています！ (2020年3月21日 6時) (レス) id: 3d0a2c3d06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年2月22日 10時
