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ナイショ ページ44

ドアに凭れて、はあ、とため息をつく。
なんだか、今日はものすごく疲れた。
新学期になったばっかりなのに、初日からこれって。この先が不安。

「わっ!A帰ってたならただいま言いなさいよ!」
お母さんが壁の影から出てきて、靴を履いたまま玄関に突っ立ってる私を見て驚いた。

「ただいま」
「おかえりー!手洗ってらっしゃい!」
「うん」

お母さんが鼻歌を歌いながらキッチンの方に行く。なんか怖い。上機嫌?

ランドセルを自分の部屋に放り投げて手洗いうがいをして、リビングに降りていく。
キッチンでは、やっぱりお母さんが機嫌よく料理してる。

「今日なにかあったの?」
「えー?どうして?」
「鼻歌なんて歌っちゃって。ご機嫌?」
「うふふー」

うふふって。なにそれ。

「なに?怖いよ!」
「失礼ね。Aにはまだナイショよ!」
「内緒?」
「そういう約束だからね」
「え?約束?なんのこと?」
「なんでもないわ」
「そう言われると気になる」
「あっ、聞き出そうっていったって無駄よ!口止めされてるからね!」

お母さんがウインクした。
なんか色々とキツい。こんなお母さんやだ。

「口止め?」
「お母さん、新一くんと約束したのよ」
「……新一?」
「新一くん」
「さっき会ったけど、何の用だったの?」
「秘密!内緒にして、って言われたのよ」
「ふーん……」

気になるけど、お母さんは意外と口が堅いから、きっと何も教えてくれない。
もういいや。諦めて、テレビをつけた。


.


.


夕飯を食べてお風呂に入って、そのままベッドにダイブ。体が沈んでく感覚が気持ちいい。
うとうとし始めて、寝ちゃダメだ、と思いとどまって、またうとうと。
久しぶりの学校で、疲れ果てた。

「そうだ……オルゴール……」

和花ちゃんに貰った白いピアノのオルゴールをランドセルから出す。
ネジを巻いたら、綺麗な音が鳴り始めた。

ベッドに仰向けで寝転がりながら、ぼんやり今日のことを思い出す。

今日で大山さんと高橋さんのこと、嫌いになった。前に新一に、好きの反対は無関心だって言ったけど、やっぱり無関心じゃなくて嫌いかもしれない。

私、あの二人無理だ。苦手。

ゆったりと、優しい音色が流れて、うっとりする。子守唄みたい。
寝ないように、って思ってオルゴールつけたけど、逆効果だったみたい。

気づけば、私は完全に眠りについていた。

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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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