検索窓
今日:3 hit、昨日:87 hit、合計:925,376 hit

友達 ページ11

「……Aちゃんてあんまり新一くんのこと知らないんだね、ちょっと安心した!」
「あんしん」
「二人は好きどうしなのかと思ってたけど、違うみたいだし」
「……」

ごめんね、私本当は新一のこと、好きなの。

そう言ったら、和花ちゃんはどうする?
私を無視するかもしれない。
殴られるかもしれない。

……怖くて、嘘だった、なんて言えない。

貫き通すしかない。
私と新一は幼馴染、って、言い続けなきゃいけない。

じわあっと目に涙がたまった。
それを見て、和花ちゃんが慌てる。

「わ!ごめんねAちゃん、泣かないで!」
「なかない……」
「ちょっと、怖がらせちゃった?」
「ううん、違うよ」
「ただ、焦っただけなの!」
「あせった?」
「私ね、新一くんのことが好きで、この子は遥樹くんが好きなの」

和花ちゃんが隣にいた子の肩を叩いた。
その子は頬を赤らめて、ちょっと!って和花ちゃんに怒ってる。

「それで、二人から優しくされてるAちゃんが、羨ましくなっただけなの」
「そうなんだ……」

照れたように笑う二人は、素直に恋してるみたいで、なんだかかわいい。

私、この二人と、仲良くなれそう。

「ねえAちゃん、私と友達になろう!」
「……え!」
「イヤ?」
「イヤじゃないよ!嬉しい!」
「ほんとう?」
「私も仲良くなれそうって思ったの!」
「そうなの?」
「うん!」
「私も嬉しい!さっき、キツイこと言っちゃってごめんね?」
「大丈夫だよ!」

ふふ、って和花ちゃんが笑った。

「私はね、千花っていうの」
「ちか?和花ちゃんと似てる!」
「そうなの!」
「私たち、幼稚園のときから友達なんだ」
「へえ!」

自然と、3人で帰り道を歩く。

「Aちゃんと新一くんは、いつから一緒なの?」
「お母さんが言うには、生まれたときから一緒にいるみたいなの」
「え!すごい!」
「誕生日も同じで」
「運命みたいだね!」
「……まさか!」

運命って言われて、ドキッとした。
ちょっとだけ、嬉しくなった私に嫌悪感。

「蘭ちゃんとはいつ出会ったの?」
千花ちゃんが聞く。

「保育園のときだよ」
「へえ!」
「じゃあ3人は、固い絆で結ばれてるのね!」
「ふふ!なにそれ!」

あはは!って笑い合う。

ああ、たのしい。
二人といると、新一と喧嘩中だってことを、忘れられた気がした。

どうして→←諦められない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (372 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
956人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。