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春、来る ページ4

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放課後、リュックに教材や筆箱を押し込んで委員会へ向かう。




同じ場所に向かっているのだから当たり前だが、隣に香坂くんも歩いている。









 
すっっっごく、気まずい状況……。




香坂くんはというと、喋ることもなく無表情だ。






なんか、喋ったほうが良いのかな。

いや、でも話したくないかも知れないし。




と、一人でグルグル思考を巡らせる。







……あれ、そもそもなんで一緒に行くんだろう、先に行ってくれても良かったのに……。









そう、私達は偶然一緒なタイミングで中庭に向かっている訳ではない。



プリントをファイルに挟んだりしていた私は香坂くんより鞄の準備が遅かったのに、彼は何故か私が席を立つまでずっとスマホとにらめっこをしていたのだ。







『えっと……。香坂くん、行かないの?』



『行くけど、終わったん?』



『えっ、うん。もうバッチリだよ』







そんな会話をしたのはついさっき。




もし本当に待っていてくれたのならお礼を言うべきなのでは?


と、考えるも自意識過剰だったら恥ずかしいし……。とすぐに否定してしまう。







……本当に意気地なしだ。









「さっきから一人でなに唸っとんの」






突然、隣から声をかけられて肩が跳ねる。


急いで顔を上げれば本日二度目の、眉間を寄せた香坂くんの顔を見た。








「もしかして、声に出てた……?」



「でもーとか、いやー、とか。」







うわぁぁぁぁ………恥ずかしい。




首から顔にかけて熱が上がっていくのを感じる。





えぇい、もうここまで来たらヤケクソだ…!!







「あのね、違ったら申し訳ないんだけどっ。もしかして、私のこと待っててくれてた……?」







勢いに任せて訊ねれば、豆鉄砲を喰らった鳩のような顔をされた。




あれ!?やっぱ違った!?






「そうだよねそんなわけ無かったよね、ごめんね…!!」




「待っとったよ」




「えぇ……?」








予想外の言葉に私は足を止めた。





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文字数の関係でぶった切ります!

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作品ジャンル:恋愛
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空汰(プロフ) - リリィ♪さん» ありがとう御座います!頑張ります! (2019年7月11日 21時) (レス) id: 388d3588fb (このIDを非表示/違反報告)
リリィ♪ - とても面白いです!私自身も人見知りなので感情移住出来て楽しく読めますし、続きも気になるのでこれからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年7月11日 1時) (レス) id: 250ee9a7d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空汰 | 作成日時:2019年7月9日 0時

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