５８ ページ10
-千side-
「島原で会ったときに言ったこと、覚えてる？」
「ん？」
「風間千景のことよ」
「あ、そのあと会ったんだよ！」
「……会った！？」
「うん。会った」
「え、ええと」
気をつけるように言おうとしたのに、もうすでに出会っていたなんて、私は耳を疑う。
風間千景がいたのなら、気配で気づくはずだから、タイミングが良いのか悪いのか私たちが島原を出たあとすぐに風間千景が来たのね。
もしかしたらあいつは、私たちに気がついていたのかもしれない。
そう思うと、だんだんと眉間のしわが濃くなってきた。
そんな私に、Aちゃんは風間千景との出来事を一つ一つ説明してくれた。
話を聞く限り＿＿＿＿気に入られてしまった。
それにどうやら、Aちゃんの方も風間千景を良い人だと思っているように感じる。
純潔の女鬼で、こんなに魅力のある子ならば、目をつけられることは予想していたが、実現してしまった状況に私は唸った。
「Aちゃんの話からすると、近いうちにまたここに来るのよね」
「そうみたい」
「Aちゃんはどうしたいの？」
「人間の里に来て、一番お世話になった新選組と、そのみんなに、恩を返したい。だから、新選組にいたいな」
「そう」
私はAちゃんを応援してあげたい。
会う前からAちゃんの環境は噂に聞いていて、歳の近い女の子がそんな目に遭っていて、私だったら耐えられないと心苦しく思っていた。
ただ、まだ幼かった私には何もできなかった。
でも今なら、何か力になれるはず。
Aちゃんは元からなのか警戒心が薄いし、ここの人たちでは風間千景と戦っても結果は見えている。
この件は私に預からせてもらった方がいいわね。
私は、決意を固めてAちゃんを真っ直ぐと見つめた。
「新選組の方々と話をさせて」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
入華(プロフ) - ヒナミさん» ヒナミさんこんばんは。先輩……！ ありがとうございます！ 前期なので、もうしっかりやっていかなきゃですね(^^;) (2016年12月6日 17時) (
レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナミ - 私は去年、受験生だったので焦りとか大変さとか分かります(;^▽^)受験の方を優先しながらも焦らず頑張って下さいo(`∀´)o (2016年12月6日 8時) (レス) id: 555f6fb54f (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - そうすけさん» そうすけさんこんばんは。ぶつかり合うほど仲は縮まりやすいですからね！今年は寒くなるのが遅い気がしますね。ありがとうございます、お互いに体調管理をしっかりとしていきましょ！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - ヒナミさん» あ想像していただけるのはありがたいです！！やはり文字だけではカズキヨネさんの素晴らしい絵を思い浮かべられないと思うので、カズキヨネさんの描いた薄桜鬼メンバーを思い浮かべながら読んでもらえるとすごく嬉しいです！！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
そうすけ - 主人公と沖田君の仲が深まりつつあるのに心が和みますねぇ。これから更に寒くなるのでインフルエンザには気を付けて！ (2016年11月4日 14時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：入華 | 作成日時：2016年10月8日 19時
