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-柳side-
今日は、三凪さんの姿を見かけない日だ。
いつも色々なところに走り回って顔を出し、誰彼構わず仲良くしていて、見当たらないときも探せばどこかの場所にはいた。
だけど、今日は探してみてもどこにもいない。
もしかすると……。
１つだけ探していない場所がある。
それは三凪さんの部屋。
大体日中は、部屋にいるということはあまりないのだが、ダメもとで行ってみることにした。
「三凪さん」
「んー？ あ、柳かな」
予想していなかった声が返ってきて、私は小さく安堵した。
「入っても大丈夫ですか」
「うん」
"失礼します"と入ったあと、私は気になっていたことを聞いた。
「何故、私だと気づいたのですか？」
「柳の声は、すごくきれい」
「そ、そうなんですか……」
どう受け取っていいか分からず、苦笑する私に、三凪さんは笑顔で"うん"と頷いた。
「今日はずっと部屋にいたのですか？」
日も暮れてきて、夕焼け空の淡い光が差し込む障子を見つめたあと問うと、三凪さんは頷く。
「何かありました？」
「何もないよ」
いつもより口数が少ないと感じた私は、また襖を見つめ、そしてそのまま三凪さんに座りながら背を向けて話しかけた。
「三凪さんの胸の内にある感情は何ですか？」
「えっ」
戸惑う声が聞こえ、私はふっと笑うと、続けた。
「怒り、喜び、苦しみ、悲しみ……感情はたくさんの言葉で表されますが、その中で一番、三凪さんの心情に合う言葉を教えてください」
「…………焦り」
「……」
私は、もっと振り向けなくなってしまった。
なぜなら、三凪さんの声はとても切なく震えていて、私の心をギュッと締めつけたから。
「……気持ちというのはとても微妙で複雑で、言葉で表現されているものの、それは近い言葉で、まるきりそうではありません」
三凪さんにとって難しい内容だとは思うが、きっと必死に意味を考えてくれているだろうと思い、私は続ける。
「しかしだからこそ、言葉にせずに自分の中で解決しようとしても、複雑なそれはなかなかうまくいきません。言葉にしてみると、意外と楽かもしれませんよ」
三凪さんは何も言わず、私も何も言わず、部屋は静寂に包まれた。
私は、ただ襖を見つめて待っていた。
「柳みたいな大人になりたいな」
私の言ったことに対して整理がついたのか、三凪さんは口を開き、そして私は振り返って明るく両手を合わせ、提案した。
「久々に茶屋でも行きましょう」
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入華(プロフ) - ヒナミさん» ヒナミさんこんばんは。先輩……！ ありがとうございます！ 前期なので、もうしっかりやっていかなきゃですね(^^;) (2016年12月6日 17時) (
レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナミ - 私は去年、受験生だったので焦りとか大変さとか分かります(;^▽^)受験の方を優先しながらも焦らず頑張って下さいo(`∀´)o (2016年12月6日 8時) (レス) id: 555f6fb54f (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - そうすけさん» そうすけさんこんばんは。ぶつかり合うほど仲は縮まりやすいですからね！今年は寒くなるのが遅い気がしますね。ありがとうございます、お互いに体調管理をしっかりとしていきましょ！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - ヒナミさん» あ想像していただけるのはありがたいです！！やはり文字だけではカズキヨネさんの素晴らしい絵を思い浮かべられないと思うので、カズキヨネさんの描いた薄桜鬼メンバーを思い浮かべながら読んでもらえるとすごく嬉しいです！！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
そうすけ - 主人公と沖田君の仲が深まりつつあるのに心が和みますねぇ。これから更に寒くなるのでインフルエンザには気を付けて！ (2016年11月4日 14時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：入華 | 作成日時：2016年10月8日 19時
