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-宗平side-
店が空いてくると、俺は急ぎ足で店を出た。
Aさんは外の腰掛けに座り、他のお客と楽しそうに話していた。
「ごめん。遅くなった」
「宗平、お疲れさま」
優しく笑われると、ずっと動き回っていた疲れなんか吹き飛ぶ。
俺はAさんの右手と自分の左手を繋ぎ、店を離れて歩き出した。
２人で町を歩くなんて、初めてのこと。
Aさんが茶屋に来たときに話すくらいで、俺も忙しいためこういうことを誘えずにいた。
Aさんの隣にはいつも新選組の誰かがいて、どこにいても愛されるんだなぁと思う。
「行きたいところある？」
「うーん」
思いつかないようで、Aさんは首を捻って悩む。
「Aさんに連れていきたいお店があるんだ。いい？」
「わぁ、気になる！ 行く行くー」
乗り気なようで、俺はほっと安堵した。
「わぁ……！」
Aさんの横顔はとても輝いていた。
俺が連れてきたのは女子向けの髪飾りなどが置いてあるお店で、噂で人気だと聞いた。
「好きなもの選んでね。俺からのプレゼント」
「でも、お金は土方にもらってる」
他の男からもらった金なんて嫌だ。
「俺に払わせて」
優しくお願いすると、Aさんは不思議そうに了解した。
店に並ぶ商品を、嬉しそうに眺めている姿を見て、それだけで心が満たされる気がした。
「迷うなぁ。宗平はどれが好き？」
「俺はよく分からないけど、……これとかAさんに似合いそうだね」
俺が手に取ったのは、淡いピンクと薄い白が混ざりあった小さな花がついているピン。
Aさんは俺から受け取り、じっと見つめる。
「Aさんに似合いそうって言っても、好みは分からないから＿＿＿＿」
「これがいい」
沈黙に不安を覚え、言葉を足そうとしたら、Aさんはそう言って頷いた。
「Aさんが好きなものでいいよ？」
「これが好き」
「…………そっか。……良かった」
少し恥ずかしくて照れ笑いすると、Aさんは"ありがとう"とはにかんだ。
会計を済ませた後、店の前で待っていてもらったAさんに"つけて"とお願いされた。
「左側、耳にかけてもいい？」
「うん」
Aさんの左側の髪を耳にかけ、目の高さあたりでピンを差し込む。
「かわいい？」
「うん。かわいいよ」
Aさんは差し込んだピンをそっと撫でて、笑った。
気に入ってくれたみたいだ。
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入華(プロフ) - ヒナミさん» ヒナミさんこんばんは。先輩……！ ありがとうございます！ 前期なので、もうしっかりやっていかなきゃですね(^^;) (2016年12月6日 17時) (
レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナミ - 私は去年、受験生だったので焦りとか大変さとか分かります(;^▽^)受験の方を優先しながらも焦らず頑張って下さいo(`∀´)o (2016年12月6日 8時) (レス) id: 555f6fb54f (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - そうすけさん» そうすけさんこんばんは。ぶつかり合うほど仲は縮まりやすいですからね！今年は寒くなるのが遅い気がしますね。ありがとうございます、お互いに体調管理をしっかりとしていきましょ！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - ヒナミさん» あ想像していただけるのはありがたいです！！やはり文字だけではカズキヨネさんの素晴らしい絵を思い浮かべられないと思うので、カズキヨネさんの描いた薄桜鬼メンバーを思い浮かべながら読んでもらえるとすごく嬉しいです！！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
そうすけ - 主人公と沖田君の仲が深まりつつあるのに心が和みますねぇ。これから更に寒くなるのでインフルエンザには気を付けて！ (2016年11月4日 14時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：入華 | 作成日時：2016年10月8日 19時
