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-斎藤side-
「一！ 入るよ？ 入ったよ！」
「……」
急にAの慌てた声が聞こえて、返事を返す前にAは襖を勢いよく開き、すごく嬉しそうな顔をして、開ききった目で俺の姿を捉えた。
「どうした？」
手入れしていた刀を置き、Aに体を向ける。
開いた襖の間から、冷えた空気が流れ込んだ。
「とにかく、来て！」
「ああ」
俺の服の裾を掴んで急かすAについて行くと、中庭に出た。
肌寒く感じた空気が太陽のおかげで少しばかり和んでいて、俺はふと空を見た。
「上じゃないよ、下だよ」
目的の場所に来たのか、Aの声は先ほどより落ちつきを取り戻していて、俺は地面に視線を移した。
そこには、小さな黄色い花が１つ咲いていた。
「もう春か」
「うん」
言いたかったことが俺に伝わって満足したのか、Aは笑顔で頷いた。
「ただの雑草だ」
「そんなこと＿＿＿＿え？」
俺は瞬時に相手から距離を取ってAを背に隠し、刀に手を当てた。
「千景、久しぶりだね」
驚いているAは、いまいち危機感を持っていないようだ。
いずれ来ると分かっていても油断していた俺は、気配に気づけなかった。
「何故、勝手に入ってきた」
「我が嫁を迎えに来た。退け」
「……」
余裕そうな笑みを浮かべる風間千景から目を離さずにいると、Aが気にせず話し出した。
「千景。Aはここにいたい」
前より意志が固まったAを見て、風間はゆっくりと言った。
「いるべきではない」
「そうかもしれないけど、でもAはここにいたい。みんなは、Aの意志を大切にしてくれた」
新選組と、Aじゃない。
新選組の、Aだということ。
「鬼と人間は解り合えない」
「解り合えるよ」
そう言ってAが俺の左手を掴んだ。
驚いて振り返ると、Aは嬉しそうに笑っていた。
「一は、AよりもAの気持ちを分かってくれてた。Aも、一の気持ちをもっと分かりたいと思う。そう思えた人たちに出会えたこと、奇跡だと思う」
「人間の心は、脆く弱い。貴様はそれを信じるれるというのか」
「信じたい。…………千景のことも」
出てくると思わなかった自分の名前が出て、風間は僅かに動揺した。
「千景のこと、好きだよ。自分の思いを信じ続けられる千景は、すごく強いんだと思う」
風間の口は動かず、ただAを見つめていた。
Aは言葉を続けた。
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入華(プロフ) - ヒナミさん» ヒナミさんこんばんは。先輩……！ ありがとうございます！ 前期なので、もうしっかりやっていかなきゃですね(^^;) (2016年12月6日 17時) (
レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナミ - 私は去年、受験生だったので焦りとか大変さとか分かります(;^▽^)受験の方を優先しながらも焦らず頑張って下さいo(`∀´)o (2016年12月6日 8時) (レス) id: 555f6fb54f (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - そうすけさん» そうすけさんこんばんは。ぶつかり合うほど仲は縮まりやすいですからね！今年は寒くなるのが遅い気がしますね。ありがとうございます、お互いに体調管理をしっかりとしていきましょ！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - ヒナミさん» あ想像していただけるのはありがたいです！！やはり文字だけではカズキヨネさんの素晴らしい絵を思い浮かべられないと思うので、カズキヨネさんの描いた薄桜鬼メンバーを思い浮かべながら読んでもらえるとすごく嬉しいです！！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
そうすけ - 主人公と沖田君の仲が深まりつつあるのに心が和みますねぇ。これから更に寒くなるのでインフルエンザには気を付けて！ (2016年11月4日 14時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：入華 | 作成日時：2016年10月8日 19時
