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-天霧side-
泣いている三凪さんを落ち着かせるためすぐ中に入り、座らせると更に泣き出してしまった。
風間と手を繋いだまま、片方の手で何度も涙を拭う三凪さんに、こういうことに慣れていない私たちは黙って見ている状態が続いていた。
すると、先ほどの自分の発言を少しは悪いと思っていたのか、不知火が声をかけた。
「その、なんつーか……まあ。泣きやめよ」
全く意味のない言動だった。
私は短く息を吐いた。
次に言葉を発したのは風間だった。
「あいつのために涙を流す必要はない」
「……うっ、ひ……そ、っじ？」
三凪さんは目を擦る手を止め、隣の風間を見上げて嗚咽気味に答えた。
「ああ」
「ひっ……う、な、なんっ……で」
「人間に泣かされて、鬼の誇りはないのか」
「…………」
風間、と止めようとしたときにはもう遅く、風間の冷たい態度に三凪さんは風間から手を離してまた声を上げて泣いてしまった。
私は先ほどよりも、深いため息をついた。
「三凪さん。何か食べますか」
「……ひうっ……う、うぅ……」
「茶菓子もあります」
「………た、べる」
少しだけ落ち着きを取り戻してきた三凪さんに、不知火が私の隣でほっと息を吐いた。
侍女に茶菓子を用意させ、三凪さんの前に出す。
心なしか、三凪さんの瞳は涙のせいだけでなく、奥の方が輝いている気がした。
食べているうちにだんだんと笑顔になってきた三凪さんを見て、本題に入るためまず名を名乗る。
「天霧九寿です」
「俺は不知火�蓮�
「Aは三凪A」
にこっと笑う三凪さんに、泣いていた姿はもうどこにもない。
「新撰組のところにいるのですか」
「うん」
「何で人間といるんだぁ？」
不知火の質問に、三凪さんは不思議そうに頭をかしげた。
「里から逃げて京に来たとき拾われたんですね」
「そうなのかなー」
「お前、風間の嫁になんだろ？」
「ならないよ」
「いや。いずれはなる」
風間は謎の自信をみせた。
「ならないって、A言った」
自分の考えを無視されたことに気分を害したのか、三凪さんは風間を見上げた。
風間は相手にせずに言葉を続けた。
「行くところがないからあんな汚い場所にいるのだろう？ ならばここに住めばよい」
「でも土方たち優しいから好き」
"好き"の単語に、風間は眉間にしわをよせた。
そしてふっと笑い三凪さんを見る。
「周りに拒まれ生きてきて、初めて相手にされて依存しているだけだ」
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入華(プロフ) - 総ちゃんさん» 感想ありがとうございます！期待に応えられるようがんばりたいです(*'〇'*) (2016年9月27日 22時) (
レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
総ちゃん - 主人公と沖田さんの関係が気になります。更新楽しみに待ってますね(*´∇｀*)。 (2016年9月26日 12時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
入華(プロフ) - 意見、質問、感想などがあれば書いてくださると嬉しいです！ (2016年9月17日 14時) (レス) id: 236968fd40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：入華 | 作成日時：2016年9月17日 14時
