【薄桜鬼】出会いには意味がある (ページ4)

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-原田side-

｢てめえ親はどうした｣

土方さんは、睨むようにAを見た。

｢死んだよ｣

あぐらをかいている俺の上に、すっぽりとのるAは平然と答えた。

空気が一瞬で固まった。

さっきまで"左之さんがついに手を出した"と騒ぎ立てていた平助や新八たちも顔が引きっている。

｢悲しくねえのか｣

｢うん｣

Aは、にっと笑った。

｢てめえ……｣

さっきよりもさらに眉間のしわが濃くなった土方さんを、近藤さんが慌てて止める。

｢ま、まあ、トシ｣

｢でもなあ、近藤さん……｣

｢Aくん！きみは家がないのだろう？どうだ、ここで住んでみるか？｣

土方さんを押し切り提案した近藤さんに、みんなが視線を一気に集めた。

｢それはいきなりすぎんじゃねえか？近藤さん｣

｢そ、そうだぜ、新八っつぁんの言う通りだ。ここ男しかいねえし｣

｢斬っちゃえばいい話ですよね？｣

｢物騒なこと言うな総司｣

俺が止めると、総司は気だるそうに黙った。

｢しかしなあ、放っておくわけにも……｣

そこで俺は、Aが異様に静かなことに気がついた。

顔をのぞくと、気持ちよさそうに寝ていた。

｢あー……えっと、寝ちまったみたいだ｣

みんなの視線がAに向いた。

土方さんは、Aの自由奔放ぶりにため息をついた。

そのとき、外から悲鳴が聞こえてきた。

男の声だ。

全員、何事かと立ち上がった。

Aは寝ていたため広間へそっと置く。

外へ出ると、男が１人倒れていた。

背中に斬られた跡がある。

｢刹羅だ｣

一が呟く。

目線を上げると、そこには発狂する刹羅が３匹いた。

すぐさま槍を手に取り刹羅へ向かう。