33.現実の履き違え ページ36
范無咎と瓜二つの少年。
しかし、服も髪も范無咎とは対をなす白色。
瞳の色も金色だった范無咎に比べ、この少年は紅桔梗のような色をしている。
そして端麗な顔つきからは想像もつかないほどの冷たい表情。
范無咎も無表情ではあったが、冷たい表情はしていなかった。
だが、この少年は氷のような表情をしている。
まぁ、こんな殺意を持っていてさわやかな笑みを浮かべる方が割りに合わないだろう。
Aは、この殺意から逃げる事にワクワクしている。
が、全く微動だにしないエマにより先程の興奮が一気に胃の奥底へ沈んで行った。
『エマちゃん！！早く逃げないと！！！』
大きな声で読んでも、肩を揺さぶっても、エマはそこから立ち上がることもなく、エミリーの名をボソボソ呟くだけであった。
白無常がもうそこに来てるのに.....！！
最悪、エマちゃんの手を引いて走ろう！
しかし、そんなAの考えを実行に移す前に黒い傘がエマを攻撃した。
「......うっ..！！」
『エマちゃん....ッ！！』
少年の攻撃の為か、エマの虚ろだった瞳に光が宿った。
だが、それは瞬時に恐怖へと染め上げられてしまい今もなおAの声が届いていないようだ。
恐怖でガタガタと震えるエマを少年は冷めた目で見下ろし、手に持った傘を振り上げる。
ゴーン....と鐘が鳴り響いた。
頭が痛い。
血が流れる感覚が気持ち悪くて吐きそうだ。
二人の間へと立ち塞がる血を流したA。
その姿、行動にエマだけでなく少年も目を見開き驚いた。
Aはと言うと、
「自分が肉壁してその隙にエマちゃんの手を引いて逃げよう」と勝手に作戦を立てて実行に移したまでだが.....
ヤッベェ....めっちゃ痛い....
今にも涙ちょちょぎれそうなA。
しかし、今ここで泣いてどうする。
そう自分を奮い立たせエマの手を引き、走り出した。
『.....ッいける！！』
Aは一つ履き違えている。
ここは、ゲームの世界ではない。
彼女は今ここが現実だどいうことを今一度認識していない。
ゴーン.....
鐘がなったと同時に右手に重みを感じ、Aはその場に膝をついた。
「なんで....？」エマが血を流し倒れている。
「どうしてそうなった.....？」少年は表情を変えずに冷たく二人を見下ろす。
おかしい....
ハンターは攻撃したら一定時間の硬直があるはずなのに...
ぐるぐると思考を巡らせること、彼女はようやくここが“ 現実 “なんだと気付く。
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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか？お気に入り登録失礼します！ (6月1日 19時) (
レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか？ (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる！((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます！高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます！応援よろしくお願いします！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます！白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暇人悪魔M:) | 作成日時：2018年11月5日 0時
