25.不気味な男 ページ28
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ゴーン....
何処かでまた鐘の音が聞こえたかと思えば、またゲームの待機場所へとAは飛ばされていた。
見覚えのある机の木目から目を離せば、ニコリと微笑むエミリーの姿が。
「昨日ぶりね!A!」
『わぁあ!昨日ぶりです!エミリーさん!』
Aはエミリーがいることに安心感を覚えた。
初対面の相手より一度会ったことのあるサバイバーの方がコミュニケーションがとりやすい。
「エミリー?その子誰なのー?」
エミリーの後ろからひょっこりと顔を出すのは、麦わら帽子を被ったそばかすのある少女。
Aはその少女にぺこりと頭を下げた。
『あのAです。よろしくおねがいします!』
すると少女はAの様子に顔を輝かせ、
「私はエマ・ウッズ。よろしくなのー!」と手を振った。
クッソ....可愛い....
Aはエマの愛らしい笑顔に癒されながらもさらに後ろにいる男が気になった。
どっかりと机へと足を乗せる男。
クリーチャー・ピアソン。
慈善家である。
もちろん、慈善家と思わせないその格好から彼が慈善家だなんて断言する人はいないだろう。
さっきから何も喋らない彼にAは不安と不信感を覚えていた。
「あ、忘れてたなのー!この人はねー...」
エマがそう言いかけた時....
ゴーンと鳴り響いた、ゲーム開始の鐘の音。
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頰にひんやりとした風を感じ、目を開ける。
『わぁ、軍需工場だ!』
どうやら工場からのスタートらしく、Aは工場をぐるっと見回しながら解読を進めた。
工場の焼け焦げた部分や中央にあった機械など、全てリアルでありAのテンションを跳ねあげるには十分だ。
『ふふん、なんか楽しくなってきた!』
カタカタとキーボードを打ちながらAは鼻歌を口ずさんだ。
誰もいないし一応周りはちゃんと見てるから大丈夫だろう。
Aは、そう調子に乗りだしてきた。
だが調子に乗ると必ずどこかで失敗するのがA。
そう。
彼女はまた完全に忘れている。
『芸術センス』という外在特質を持っているということを。
ザッ...
足音がして、Aは勢いよく後ろを振り返った。
ハンターなのか、サバイバーなのか姿をみないと分からない。
近付いてくる足音に意識を集中させ、後ろにある窓枠に手をつく。
「....よう」
現れたのは不気味な笑みを浮かべた。クリーチャー・ピアソンだ。
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かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか?お気に入り登録失礼します! (6月1日 19時) (レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか? (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる!((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます!高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます!応援よろしくお願いします! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます!白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに! (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇人悪魔M:) | 作成日時:2018年11月5日 0時