20.会えて嬉しい ページ23
リッパーは試しに攻撃してみようと、鉤爪のついた手を目の前に振り下ろした。
『イテッ』
その手がAの頭にクリーンヒットしたと同時に、20秒が経過したためAはそこに姿を現した。
ダウンしていないと言っても痛いものは痛い。
Aは目尻に涙が滲んでいるがリッパーに向かってニコリと笑った。
『ド、ドーモ...』
「まさか、さっきまでの奇行...気付かれてる？！」内心焦りながらAはぎこちない言葉でリッパーに話しかけた。
「貴方でしたか.....！」
リッパーが驚いた様子だったので、どうやらバレていないようだ。
Aはそっと胸を撫で下ろした。
『.....さっきぶりですね！』
Aがそう言うとリッパーは少し柔らかい雰囲気になったような....？
「また会えて嬉しいですよ。Aさん」
この言葉で、Aは死にかけた。
声になる叫びをあげそうになり、必死に口元を覆う。
そんなAにリッパーは何かまずい事を言ってしまったのだろうかと少し焦った。
『う、ウチも....会いたかったです...ジャックさん』
「ひゃー！ジャックさんって言っちゃった！！」Aは脳内で花を飛び散らしながら踊った。
照れ臭くて少し俯いてしまったとは言っても、ちゃんと真意は伝わっているだろう。
とりあえずリッパーに気持ちを伝える(＋本名呼び)が出来ただけよく頑張った！ウチよ！！
ウチの名前をリッパーが知っていたのには驚いたけど、呼んでもらえたからそれでよし！！
つーか「また会えて嬉しいですよ」ってイケメンから言われたらイチコロよ。
スマートの言っちゃうんだもん、すごいよなぁ....
脳内で言葉をつらつらと並べていくAは、リッパーの少し赤くなった表情に気付くことが出来なかった。
「会いたかった」そのAの一言にリッパーの気持ちは少し浮いたような気分になった。
「調子狂うんですよ...貴方といると.....」と小さく呟き、目の前で照れ臭そうに頭をかくAに視線を移した。
しかし、さっきの浮かれた気分を台無しにする事が脳裏をよぎった。
あまり気が向かないが言わないわけにはいかない。
いや、自分が言わなかったとしてもいつかは来てしまうんだ。
「.....帰ってしまうのですか？」
リッパーが重々しく言った。
Aは一瞬何を言われたか分からなく、しばらく口をポカンと開けたまま立ち尽くした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 509人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かみきれ(プロフ) - すごい好きです。作者様は神ですか？お気に入り登録失礼します！ (6月1日 19時) (
レス) @page42 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - この小説を私の小説の参考にしても宜しいでしょうか？ (2022年10月4日 5時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
推しは嫁(プロフ) - めっちゃ続き気になる！((((*゜▽゜*)))) (2021年2月2日 8時) (レス) id: 083dca73bd (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - 僕です。さん» ありがとうございます！高校生になってから更新厳しいですが必ず終わらせようと思ってます！応援よろしくお願いします！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
暇人悪魔M:)(プロフ) - soragirl3008さん» ありがとうございます！白黒無常さんとはこれからも関わっていくのでお楽しみに！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: b7f6c1e616 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暇人悪魔M:) | 作成日時：2018年11月5日 0時
