＊３３ ページ33
「先にすみませんでした」
屈んでお辞儀をした結城の、無防備な胸元に目が行く。
いや、だからマジで何なのよ。
ダメだって、ダメ、ダメ、ダメ。
「もう寒くない？」
「はい、あの、服ありがとうございました」
「いいよ。髪濡れてんじゃん、乾かせよ早く」
「はいっ」
その返事を聞いて、俺も浴室に入った。
当然だけどそこはまだ熱気がすごくて、ここで結城がシャワーを浴びたんだって。
だからダメだって、全てをそういう方向に繋げるな、俺。
さっさとシャワーで頭冷やさねぇと。
違った、温めねぇと。
服を脱ごうとした時、コンコン、と控えめにドアを叩く音。
「何」
「二宮さん、服私乾かしますから」
「何言ってんの、自分の髪乾かせよ」
「あっ、それ終わったら！少しでも早く……」
「……了解、じゃさっきみたいに置いとくから。その服で外出んなよ、ドライヤーでいいから」
「はい」
安心した結城の声を聞いて、コイツも何かしてないとどうしていいか分かんないんだろうなぁって想像した。
すぐドライヤーの音がしたから、俺も安心して服脱いで浴室の外に置いた。
さっきみたいに、「お願いしまーす」って小さく言って。
身体をさっと流してとりあえず洗って、髪も雨に濡れたあとって臭ぇから念のためシャンプーして。
いやあと帰るだけじゃん？何気合い入れてんの俺？って思ったけど、まぁ、念のためね、念のため。
中に着てたシャツとパンツもやっぱビショビショ。
シャツはいいにしろ、パンツどうすっかなぁー。
ノーパンで帰るワケには……
あ、やっべさっきの思い出しちまった。
いかん、俺は仏だ、何もしない、心を無にしろ、いいな和也……
「あっ二宮さん！」
風呂から出てすぐ、結城が近寄ってきた。
髪はもう乾いていて、俺の洋服も上着は乾いたと言っている。
まぁデニムはね、無理だろうよ。
そこは最初から俺も諦めてる。
「乾燥機かけますか……？」
「いや、いい。あんがと」
とりあえず同じように着たガウンに、恥ずかしくなる。
結城の方を出来るだけ見ないようにしていると。
「……かっこい」
「え？」
「濡れた前髪下ろしてるの……凄くカッコいいです」
そう言って俺の前髪へ伸ばした右手に、さっき見た無防備な胸元に、俺の決心は脆くも崩れ去る。
仏にはなれなかった。
……気付いたら俺は、その手を引っ張り、結城を組み敷いていた。
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cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんありがとうございます！マキちゃんみたいな後輩欲しい…分かります！優しくてお茶目で自分のこと大好きな後輩とか最高ですよね、願望を詰め込みました笑 ハッピーになっていただけて本当良かったです♪ (2019年6月19日 23時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - マキちゃーん！天邪鬼な二宮くんと上手く行って良かったー！もうマキちゃん可愛すぎて大好きです！！私もマキちゃんみたいな後輩が欲しい…(笑)完結おめでとうございます！読んでいてとてもハッピーになるお話でした！！ (2019年6月19日 0時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» いつもありがとうございます(*^^*)そうなんです、2人ともそういう価値観同じなので付き合うのも必然かなーと！ short storysの方でまた何やかんやしてる2人を書けたらと思うのでぜひまた見に来てください！ (2019年6月18日 21時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - すりおろし梨。さん» こちらこそありがとうございます！！マキちゃんハムスターって言うの、凄く分かります！必死に回し車回してそう笑 この2人の先々は愛は二度目からのshort storysの方で少し話す可能性あるので、もし良かったらそちら読んでいただけると嬉しいです(*^^*) (2019年6月18日 21時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 完結お疲れ様でした！天邪鬼の二宮さんが本気で部長カップルを応援し…そして同じ思考のマキちゃんに必然？に恋をして結ばれた。とっても素敵なお話で甘々な二宮さんにニマニマしちゃいました(笑) (2019年6月18日 9時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年5月23日 21時
