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念の為カバンの中を探したけれど、やっぱり用紙は入ってなくて。
クラス委員の子には「私出したよね？」って聞いたけど、「ごめん覚えてない」って。
とりあえず、ルーズリーフに第一志望と第二志望と名前。
それさえ書いて渡せば大丈夫でしょって。
放課後。
帰宅部の私は、そのルーズリーフを持って国語準備室へ向かう。
大体どこなの、国語準備室。
理科室とか美術室とかに併設されてる準備室は分かりやすいのに、国語準備室って何だよって。
国語室とか無いじゃん！どこなのよ。
「あれ、迷子？」
ずっと上の〇〇室って書かれたプレートばかり見ていたら、いきなり声をかけられた。
視線を戻すと、白衣を着た猫背の二宮先生がいた。
「……迷子じゃないです」
「いや、俺にはそう見えましたよ。優しい俺が案内してあげましょーか？」
化学担当の二宮先生は、授業以外で校内で会うのは珍しいほどのレアキャラ。
そんな先生に会えたから、もしかしたら今日の運勢はラッキーなのかもしれないけど、国語準備室まで向かわされてるんだから、結局はアンラッキーか。
「……櫻井先生に用があって」
「あぁ、国語準備室？」
「そういえばアナタ櫻井先生が担任の２年のクラスの子ですね」って、二宮先生はいつも話を理解するのが早い。
１聞くと10知るってこの人のことだと思う。
「あんな埃臭いとこにいつも居なくたってねぇ、思いません？」
「行ったことなくって……」
「あぁそうか、それで迷ってたんですもんね」
斜に構えているというか、どこか全てが他人行儀な二宮先生は私たちにも敬語だ。
だから顔だけ見れば恰好いいのに、「二宮先生が好き」と言葉に出す人は少ない。
でも、隠れファンが一番多いのはこの先生だと思う。私の推測だけどね。
「ここですよ」
渡り廊下を渡って大分歩いたところ。
こんなとこ、用事があったって来たくないって場所に国語準備室はあった。
夕方なのもあって、雰囲気が怖い。
早く渡して帰ろう。
「ありがとうございました」
「いえいえ。翔さんによろしくお願いしますね」
「翔さん？」
「あっ、来てたの！」
二宮先生に御礼を言った時、その準備室がグギギ、と音を立てて開いた。
そして聞き慣れた声がする。
「ニノ、何で」
「ニノ？」
「あぁ、迷ってたのよこの子。翔さん、ちゃんと大事な子をお迎えする時は一緒に、」
「ちょ、お前黙れ」
二宮先生が敬語じゃない。
そこに驚いた私は、多分、大事なことを聞き逃したんだと思う。
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cori(プロフ) - 古川さん» コメントありがとうございます！ええっ、そこまで言っていただけて嬉しいです…！実は私もこの5つの話の中で大野先生の話が一番好きで笑 だから余計嬉しいです！ (2019年8月11日 21時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
古川(プロフ) - 大野先生の話めっっっちゃ好きです……こういうのが読みたかったんです……私の需要を満たしてくださり本当にありがとうございます(スライディング土下座) (2019年8月11日 1時) (レス) id: ae72d41905 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんありがとうございます(*^_^*)ほんと天邪鬼で手に負えませんね！笑 櫻井先生、もう少しお待ちください！ (2019年7月7日 13時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 二宮せんせー、ホントに天の邪鬼なんだから…でもそこがすき！(笑)櫻井先生の長編嬉しいです！楽しみにしています！！(^^) (2019年7月6日 21時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kana59さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるととてもやる気出ます〜！！あとはタイトルさえ決まれば出せるのですが…お待ちください！ (2019年7月6日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年4月19日 21時
