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それからというもの、和田くんと一緒に先生を訪ねる時や、ＬＨＲがある時はいつも先生の視線を気にするようになってしまった。
何も無いのにな、本当に。
でも、ずっと顔が拗ねてて面白い。
無事、大学も合格した。
将来の事は、まだ決まってない。
大学でやりたいことも、決まってない。
無難に文学部にしたけど、先生はそれでいいと言ってくれた。
その時点で人生の目標が全て定まってるヤツなんて、滅多にいないって。
少しづつ決めていけばいいんだよって、言ってくれた。
……先生と同じ文学部。
それだけでもいいの。
少しだけマネして、教員免許取ろうかなって言うと、先生は嬉しそうに笑ってくれた。
先生と会えない、先生の彼女になれない自由登校の期間。
先生も国公立の受験を控えている生徒の指導があるから、相手にして貰えなさそうだから素直に自宅に居た。
１回だけあった全員登校日に、５分だけ顔を見れた。
それだけで幸せだった。
先生の襟足は、やっぱり伸びていた。
桜はまだ蕾。
卒業式。
久しぶりに会った先生の襟足は、綺麗に揃えられていて、あの日、先生の罠にかかった日を思い出した。
先生に名前を呼ばれて校長先生から受け取った卒業証書に、もう私は先生の生徒では無いんだって実感が沸く。
先生。
私、気付いてしまいました。
さっき、私の名前を呼ぶ時。
先生の方を向いた時。
先生の右の親指が、あの合図をしたことに。
「先生？」
グギギ、いつもの音。
この音を聞くのも今日が最後。
この、埃っぽい準備室に入るのも。
「良かった、居た」
ここで、後ろから抱きしめられるのも。
ここで、この甘い切ない香りを感じるのも。
「あんな合図……気付かなかったらどうするつもりだったんですか」
「無くても、ここには来るつもりだっただろ？」
先生はいつもお見通しって感じで、ちょっとムカつく。
なのに少し嬉しい。
「もう生徒じゃないな」
「はい、もう教師じゃないですね、私の」
先生から香りが離れる。
くる、と体を反転させられた。
「……好きだよ」
「……」
「A、好きだ」
「……私も、好きです」
「ようやく言えた」
「ようやく言えました」
「ようやく聞けた」
「ようやく聞けました」
「マネすんな」
デコピンされた。
「いった」
「マジ？どれどれ」
オデコを全開にする先生。
「あー、赤くなってる。やっべ。責任取らねーと」
「どうやって？」
「……そりゃぁ、」
【in the school〜続・Ｓ先生の場合〜 Fin】
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cori(プロフ) - 古川さん» コメントありがとうございます！ええっ、そこまで言っていただけて嬉しいです…！実は私もこの5つの話の中で大野先生の話が一番好きで笑 だから余計嬉しいです！ (2019年8月11日 21時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
古川(プロフ) - 大野先生の話めっっっちゃ好きです……こういうのが読みたかったんです……私の需要を満たしてくださり本当にありがとうございます(スライディング土下座) (2019年8月11日 1時) (レス) id: ae72d41905 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんありがとうございます(*^_^*)ほんと天邪鬼で手に負えませんね！笑 櫻井先生、もう少しお待ちください！ (2019年7月7日 13時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 二宮せんせー、ホントに天の邪鬼なんだから…でもそこがすき！(笑)櫻井先生の長編嬉しいです！楽しみにしています！！(^^) (2019年7月6日 21時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kana59さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるととてもやる気出ます〜！！あとはタイトルさえ決まれば出せるのですが…お待ちください！ (2019年7月6日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年4月19日 21時
