＊ ページ41
「……A？」
気付くと、目の前の画面には部長のアップ。
あ、カッコいい。
「どこ行ってたんだよ、ボーっとしてたぞ」
「あは、ごめんなさい」
どうやら私にはトリップ癖があるようだ。
雅紀との思い出……楽しかった思い出。
懐かしんじゃった。
「ねぇ、翔くん？」
「ん？」
翔くんと呼ぶと部長は蕩ける。
この間からずっと呼んでいるけど、本当に気に入っているみたいで、その嬉しそうな顔が見れるから私も止められない。
「もしですよ？雅紀と付き合ってなかったとして。で、私が怖がっていた「部長」の翔くんに告白されたとして」
「もの凄いタラレバだな」
「多分、私、断ってたと思うんです」
「……まぁそうだろうな」
「「部長」の翔くんが嫌いだったワケじゃないです。でも、恋愛には発展しなかったと思う」
「……」
「雅紀とあんなことがあって、初めて翔くんの優しさを知れた」
「……」
「だから、私にとって雅紀は大事な人です。翔くんのことを好きになる、きっかけだったから」
「……なるほどね」
「一生嫌いにはなれない。でも……もう、好きになることもない。だって私は翔くんが大好きだから」
そう言うと、部長は下を向いて、くすっと笑った。
その顔がカッコ良すぎて、「えっ」って言ってしまった。
「え？」
「翔くんカッコいい。もう一度やって」
「は？何を」
「今の。下向いて笑ったやつ！」
「え、どんなの？こう？」
「ちがーう！違います！もっと、こう」
「こう？」
「違う！もう！不器用！」
全然出来てなくて二重顎になってる部長に笑ってしまう。
仕事中は怖いくせに、私のことになると甘くて、でも不器用で、そして夜はもう格段にカッコいい部長。
そんな部長とこうやって笑いあえているのは、雅紀がいたからなんだよね。
「なぁ、この間から言ってるけど、もうタメ口で話せって。敬語に翔くんはおかしいぞ」
「でも」
「気付いてないだろうけどな、時々タメ口で話してるぞ？」
「本当ですか？やばい、直さないと」
「いや、だからな？」
「だって、タメ口してどんな特典があります？部長に」
「……俺が喜ぶ。以上」
ぶふ。
そんなことを真顔で言う部長に、更なる愛しさが増す。
「しょうがないなー、翔くんが喜ぶならしちゃおっかなー」
「……調子乗ってるな？」
二人で笑いあう。
これからの人生は、この人と歩む。
あの時の物とは違う、左手薬指のダイヤの指輪を見ながらそう誓った。
【大事な人と、共に歩む人 Fin】
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cori(プロフ) - Yuriさん» いつもありがとうございます！そろそろ帰国してほしいなーと思ってます笑 次移行しますのでもう暫くお待ちください！ (2019年6月4日 7時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！翔くんが帰国するお話が気になります！更新、待ってます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kaz2nsariさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ニヤニヤしていただけたとのこと、とっても嬉しいです…！早く帰ってきてもらわないと、まだ書きたいことたくさんあるので…！また覗きに来てくださいね〜！ (2019年5月28日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
kaz2nsari(プロフ) - はじめまして！読ませていただきましたが、終始ニヤニヤが止まりませんでした！！翔くんがNYから帰ってきたあとのお話が気になります！！ドキドキ。。 (2019年5月27日 19時) (レス) id: f127e1252b (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» こちらにもコメントありがとうございます！名前呼びをしてみました。仕事以外で部長と呼ぶとすこぶる怒ります笑 いつかのニノさんで言ってたことを言わせてみました。絶対履いてると思います笑 また来てくださいね！ (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月26日 19時
