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「ほい」
会社まで帰る道、いつの間にか部長が缶コーヒーを持っていて、私にも同じものを投げてきた。
「わっ、」
それをしっかりキャッチすると、缶コーヒーと思っていたそれはココアで。
ミルクたっぷり。なんて書かれている。
「疲れたな。これ飲んで温まれ」
「ありがとうございます」
きっと、だけど。
部長は私の励まし方が分からないんだな。
何て声をかけたらいいか迷ってる。
だからこんな飲み物を渡してきて。
だってマフラーがいらないくらい、ポカポカしてるんだもの。
「あったかいですね」
「そうだな」
ココアが、とも、お天気が、とも伝えない。
でも、ココアが、って。
部長のくれた優しさが温かいんです、と思ってほしい。
「……部長」
「ん？」
「一緒に来てくれてありがとうございました」
ペコ、と頭を下げてから部長を見上げると、部長は口元を少し緩め柔らかく笑ってくれた。
「私一人じゃあんな突っ込んだとこまで聞けなかったです」
「……果たして聞いたことが正解かどうかは分からなかったけどな」
「ううん……きっと正解です」
「……」
「ほんの少し思ってたんです。いつか関連子会社から戻ってくることもあるのかな、って」
「……」
「もう一度付き合いたい、っていうよりも、顔を見て話をしたい、納得できる答えなら私も前に進みたい、って思ってたんです」
それは本心だ。
もう一度付き合える訳ない、それはどこかで分かっていた。
きちんとした理由を知りたい。
雅紀の口から聞きたい。
だから……いつか戻ってくる時を待っていた。
でも、
「もうそんなことはないんだって今日はっきり分かりましたから」
「……」
「前に進みます。相葉さんのことを完全に思い出に出来るように」
今度こそ、部長の目を見て。
はっきりと伝えた。
それは私個人の意思表示ではなく、思い上がりかもしれないけれど、部長にとっても意味のある言葉だと思ったから。
「……強い女だなーお前は」
くく、と口元を手で隠して笑う部長。
それ。私の好きな部長のしぐさ。
「強い、って」
「そこまで強くなくてもいーんだけどね？」
ポンポン、といつものように部長が私の頭を撫でる。
もう癖になってない？
「時々は弱いとこ見せてもいいからな」
「……はい」
「ま、俺にだけね」
「……え」
「間違っても二宮なんかに見せるなよー」
「ちょ、ちょっと待ってください！」
ははは、と笑いながら先を行く部長を追う。
ふ、と気付いたら私も笑顔になっていた。
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cori(プロフ) - チコちゃんさん» こんばんは！コメントありがとうございます。そして嬉しいお言葉、すごくやる気に繋がります！ぜひぜひこれから部長のターンに入りますので、ドキドキしていただけたら嬉しいです＾＾ (2019年2月9日 1時) (
レス) id: 70a38a701a (このIDを非表示/違反報告)
チコちゃん - 1日の終わりにこちらを覗いて更新されてたらラッキーと通ってます。部長の彼、わちゃわちゃかき回す彼、想像して楽しいです。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: 1ebeb777d3 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - yumi06300658さん» こんばんは！コメントありがとうございます。毎日楽しみにしてくださってるなんて！嬉し過ぎます。相葉さんは本当にいつ出てくるのでしょう。きっとその時はヒーローが何やらしてくれるはずです！ (2019年2月2日 23時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
yumi06300658(プロフ) - こんばんは、毎日更新されていないか楽しみです。次がとても気になり愛は二度目 からの大ファンになりました。相葉くんと翔ちゃんと主人公さんがどんなラブストリーをとても楽しみです。 (2019年2月1日 23時) (レス) id: 127c71edcd (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - れもんさん» コメントありがとうございます！本当ですよねー！言葉足らずなのでもっとヒロインちゃんドキドキするような事してほしいです！笑 更新頑張りますね(^ ^)とりさん！リクありがとうございます。これからよろしくお願いしますね(*^^*) (2019年1月26日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年1月11日 21時
