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「そんな当たり前のこと」
部長がそう言った瞬間、お母様は「当たり前のこと？」そう言った。
その顔は怒っているのか、何なのか。
まだ今日出会ったばかりの私には分からない。
「さっきまでの翔ちゃんの話聞いてると「好きでようやく付き合えるようになって嬉しい。一緒に住もう、結婚しよう」って……」
「それの何がいけないんだよ」
「好きな人と付き合えてずっと舞い上がってる感じよね」
お母様がそう言った瞬間、今度は部長の顔が今にも怒号を放ちそうな顔になった。
あ、やばい。これは。
「……舞い上がってなんか」
「そう？お母さんにはそう見えたわ。人間ね、好きな気持ちがあるからこそ、相手を憎む時もあるの。小さなことでも大きなことでもよ」
「……」
「私だって何度もお父さんとのこれからについて考えたわ。それでも一歩踏み出せないのは、結婚をしてるから。だから簡単に別れられないの」
「……」
「でも、その怒りや失望の波を越えたら、次に気付くことは……結婚をしているからこそ、お父さんと別れなくて済んだってこと」
「……」
「もちろん貴方たちが居たことも大きな要因ではあるけど、根底はそこだった」
今度はお父様の顔が曇る。
「……そうやって結婚してるからこそ、良かったって思えるのは本当に大分先よ。それまでは楽しいことばかりじゃない、大変なことの方がきっと多い」
「……あぁ」
「……一度Aさんは一生を添い遂げようと……その覚悟を持った人に逃げられたって。それなのに翔ちゃんを選んでくれた。その想いを翔ちゃんはどれだけきちんと受け止めてるの？」
お母様の言葉に、部長が息を飲んだ。
何度もこんな話はしたし、部長は「幸せにする」って言ってくれた。
……でも。
「翔ちゃんがその想いをきちんと受け止めて幸せにしてあげなかったら……この人と結婚して良かったって思えなかったら。Aさんは何度悲しまないといけないの？」
喉が鳴る。
「今ただ舞い上がって同棲や結婚を急かす翔ちゃんに……その覚悟はあるの？」
シーン、と静まりかえるリビング。
さっきまでふざけていた弟さんも。
優しく場を見守っていてくれていたお父様も。
お母様も部長も私も。
誰も言葉を発さない。
「……人生を賭ける」
「え？」
「人生を賭けてAを幸せにする。……いや、違う。２人で幸せになる。絶対に誓う」
その言葉は、先日実家で部長が父に言った言葉だった。
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やっち(プロフ) - こんにちは。読ませてもらいました。甘甘翔くん大好物です。大好き (2021年10月30日 16時) (
レス) @page49 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - emさん» ありがとうございます。私もこんな職場憧れます…！夢が詰まってます笑 また少しずつ戻ってこようと思います。またよろしくお願いします！ (2020年9月15日 5時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ミントモモさん» ありがとうございます。少しずつですが戻ってくる予定です！またよろしくお願いします！ (2020年9月15日 5時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます。少しづつですが戻ってこようと思います！また、他の作品も読んでいただけると嬉しいです(^^) (2020年9月15日 5時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
まよゆり(プロフ) - 懐かしい面々が出てきて、楽しかった。ニノのスーツの値段！あの数字だけが、探せなかったあの時…笑。お、おう、と押され気味に返事するニノ。マキちゃんらしいプロポーズ。可愛い2人。短編ゆっくり待ってるね。 (2020年8月31日 20時) (レス) id: cd6d41f823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年9月7日 18時
