217話 ページ31
｢やぁ、梓
また会ったね｣
とニヤリと笑う天人
それを睨む梓
月詠もクナイを構えいつでも投げる準備をしている
｢あの薬を使ったのか｣
｢あぁ、それも特別製！
だって彼女は私の仲間を殺したんだもの
いつもより強いやつをいれちゃった｣
｢お前！｣
と声を荒らげ攻撃するため走り出す梓
だが天人と梓の間にAが入り思わず立ち止まる
｢やっぱりこの薬は凄いな
それで梓と百華のお頭さん
ここで私から提案なんだけど
梓とこの解毒剤交換しない？
まぁ記憶は戻らないけどこの子が君たちを襲うことは無いよ｣
と得意げに液体が入った瓶をこれみよがしに見せつける天人
｢解毒剤ならこちらにもありんす｣
｢だから早くその人を返せ｣
｢返せ？主人によくそんな口聞けるわね
でもまぁいいわ
梓のおかげで気分がいいもの
だって江戸にいたいからこの子の警告も聞かずにこの江戸にいてくれたんだから
おかげでこの女を壊せた
だからよくやったわね
褒めてあげるわ｣
と言われさっきまでの威勢がなくなりAを見る梓
持っていたを刀落とし下を向く
｢梓、落ち着くでありんす
主のせいではない｣
｢じゃぁ誰のせいなの？
君たちは梓がこの星を離れたら作戦を実行するつもりだった
だけどその子が無理言って明日になったんでしょ？
すぐに言うことを聞いていれば君たちは私を倒せたかもしれない
この子は薬を打たれなくて済んだかもしれないのに梓のせいじゃないって言うのかい？｣
それはと弁明しようとするが言葉が見つからずそこからは話せなくなる梓
それを見かねた月詠がAを見て口を開く
｢全て主のせいではありんすか？
罪のない子どもに薬で無理やり言うことを聞かせる事さえしなければわっち達はこんなことになってはいない｣
｢なるほど
確かにそう考えると私が悪いね
でもほんとに私だけが悪いのかな？
まぁ人それぞれ価値観があるから埒が明かないね
それに私はこの子を絶対生きて返したりしたくないけど
せいぜい私を楽しませて｣
と黒い笑みを浮かべてAに殺れと命令する
｢A奴の言葉に耳を貸すな
思い出せ｣
｢そうです！
思い出して銀さんや真選組の元に帰りましょう！｣
と呼びかけるがAの心には全く響かず2人の方へ歩くA
梓が落とした刀を取り2人を見る
2人がAの名前を呼ぶがそれに応えることなく鞘から刀をだし鞘を放る
｢やめてください！｣
と梓が叫ぶがAは虚ろな目で梓を見つめる
月詠は梓を後ろに引かせた
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作者名：唯 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2020年7月11日 21時
