207話 ページ21
「お前がここに来るなんて珍しいな」
『そうかな?
トシが知らないだけで結構来てるよ』
竹刀で素振りをしていたAと今から素振りをしようとした土方がやってくる
「それよりお前梓とはちゃんと話したのか」
なんて言いながらAの隣に立ち素振りを始める土方
『なんの事かな?
話すことなんて』
「はぁ、早く話してこい
早く逃げろでも、忘れろでも
ちゃんと言えよ
それとも離れたくないのはお前の方か?A」
と言われ素振りをしていた手を止めて下を向くA
『花蓮さんにもう手配はしてもらった
来週のどこかにはもう』
「んな悲しそうな顔するなら」
『また奴らに捕まって今度はもっと酷いことになるかもしれないんだよ
私情でそんな目に合わせるわけにはいかない
今回ばかりは譲れない』
そういうAの目はまっすぐ土方を見ておりそれに土方はそうかと一言だけ言う
「あ、いたいたトシにAちゃん」
「近藤さん?どうしたんだ?」
「みんなで銭湯に行かないか?
たまには広い場所でリラックスしてみるのもいいと思うんだが」
「俺はいいぜ」
「Aちゃんは?」
と期待の眼差しで見る近藤
『僕は遠慮しておきます
まだ調べないといけないことがあるので』
「そんなに詰めてやっても疲れが溜まるでしょ?
それより一旦銭湯行って疲れとった方がいいんじゃないか?
ここ2日働きっぱなしだろ?」
『たった2日です』
「近藤さんが言うんだ
お前も少し休め」
「トシの言う通りだぞ」
『はぁ、分かりました
他に誰がいるんですか?』
「総悟とカズと梓と花蓮さんだな」
『やっぱり辞めます』
と梓と聞き直ぐに行くことを取り消すA
それに泣きそうになる近藤
「裸の付き合いだ
梓と話し合ういいチャンスだ
説得しろ」
『はぁ、分かったよ
行けばいいんでしょ行けば』
とやけくそにそう言うA
その言葉に良かったと胸を撫で下ろす近藤
土方は直ぐに部屋に戻り行く準備を進めている
「今から行くからAちゃんも準備が終わったら門に来てくれ」
『分かりましたよ』
とルンルン気分の近藤とは違いAは腑に落ちない結果となった
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作者名:唯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2020年7月11日 21時