11 さぁ…殺れるもんならやってみやがれ! ページ11
ー勇星sideー
ゴーグル越しに見える敵の位置、臭い、視線、警戒心…それらが全て手に取るように分かる。
何故、この
『愛してる』
ふと、そんな透き通った美しい声が頭を過ぎる。
ばかだなぁ…『彼女』はここにはいないのに…。
「さぁ…殺れるもんならやってみやがれ!」
そう叫んで敵を挑発する。
そうしてだいたい敵は…
「「手加減なしだぁぁっ!」」
今のステージは一グループ四人。
ここには二人、じゃあ…あっちに二人、かな?
まぁ、今の僕には…
「目ん前ん敵が敵せやかてね!」
バンッバンッ
「ヒット!」
二発撃つも一人に避けられる。
悔しさと歯がゆさと…あとは…そうウザい!
そう思っていると敵が近くに寄ってくる。
そりゃそうだ、僕の真後ろにフラッグはあるんだから。
ま、コッチの方が
「狙いさかいええけど!」
そう言って銃弾が敵にヒット。
彼がヒットコールを言わずもして笛が鳴った。
おそらく、この二人で最後だったんだな。
ふぅ、とため息をついて笑みを零す。
それからそそくさと挨拶を終えて四人で集まる。
「やりました!」
「…当然だから」
「もっと喜べなっつん!」
「わぁ〜い!」
「うんうん!」
「(それでいいんですか?!)」
新しく入った国広君とも打ち解けた様である、かなちゃんに頭を撫でられて幸せそうななっきー。
その三人の漫才のような会話を見てまた僕はまた笑みを…いや、笑顔になる。
「どうした?ゆう」
「早く行こうよ…ゆうちゃん」
「さ、行きましょう近藤さん」
そう三人の笑顔を向けられて僕は「行こうか」と三人の横に歩き出す。
「あ、あと近藤さんやめてもろてええ?」
「…俺も…土方さんやめてほしい」
「えっ?!じゃあ…」
そうイキナリの事に戸惑っている国広君を見てなっきーと二人でクスクスと笑い出す。
それを見て国広君が怒り出す。
「何笑ってるんですか!夏輝さん!勇星さん!」
下の名前…。
今度は僕だけが大笑いをしてしまった。
「ゆう?」
「いや…うおん…。勇星さんかぁ…ほんっと、久しぶりに聞おいやしたよ」
「え…?」
ポカーンとしている国広君の頭を撫でて、僕が先頭にまた歩き出すのであった。
『あ…い…してる?…!――――、ゆーせーあぃしてる!』
二人目の『彼女』の言葉を思い浮かべながら。
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紅蘭菜 - 優鬼さん» コメントありがとうございます。更新頑張ります (2015年9月26日 14時) (レス) id: 1a4c70b3d1 (このIDを非表示/違反報告)
優鬼 - 面白いです!まさか要さんが女とは…!続きが楽しみでしょうがないです♪更新頑張って下さい!! (2015年9月25日 18時) (レス) id: a91fcf304e (このIDを非表示/違反報告)
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