君と、未来の話をしてみたい。２【兵頭十座】 (ページ2)

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「あっぢぃー‥」

「あんま暑い暑い言うんじゃねぇ、よけい暑くなんだろうが」

「だって暑いだろうが」

「冷えピタでも貼っとけ」

夏、蒸し暑くなるこの季節。

二駅離れた大学に通う摂津と俺は、毎朝仲良く通学している。

先生との連絡はあれきり途絶えた。あのメッセージに俺は返事をせず、連絡先も消していない。

俺が大学を卒業する頃、先生が日本に戻ってきたら、きっと連絡をくれるんじゃないか。そう思った。

「兵頭、今日飯食ってこうぜ」

「ああ」

普通に友達もできて、高校とは違う楽しい大学生活を送ることができている。

一番仲のいいこいつは俺と同じ甘党らしく、話も合ってよくケーキなんかを食べに行く。

「兵頭ってさぁ、彼女とかいんの？」

「え？」

１週間に１度のぺースでこいつと飯に行く。たまたま、今日はそんなことを聞かれた。

「‥いねぇけど」

「へー、お前みたいな強面ってモテそうなのにな」

「残念だったな」

彼女なんていたことはない。‥彼氏、なら。

忘れようとして忘れられなかった記憶が少しずつ鮮明に蘇る。

俺は、俺は。やっぱり‥。

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