【銀魂】夢幻帳〜短篇集〜

『意趣を返す』 ページ33

※暴力、あらぬ噂、誤情報などで虐められている貴方様。ある日、鋭い彼に見抜かれてしまいます。彼の対処法とは......？



坂田銀時
「よく、耐えたな」
あらぬ噂で孤立しようとAは己から言わなかった。頼らないのは彼女の矜持故なのか。ならば今は、こうして抱き締めてやるのが最善だろう。



土方十四郎
「なんで、ずっと隠してたんだ？」
自分で尋ねといて、答えを聞かぬまま外へ出る。生憎俺は慰めるほどの器は持ち合わせていない。せめて、処罰するくらいは出来よう。



沖田総悟
「へー......」
気に食わねェ。俺以外に虐められるのもそうだが、そのクズ共が。いくら過度な罪を着せても有耶無耶に出来るのだ。さて、どう消してやろうか。



高杉晋助
「......大丈夫だ」
何が大丈夫なのか。自分で言って呆れる。だが、そうやって俺の元だけで弱味を見せる所が愛らしい。さて、お礼参りと行こうじゃねェか。



桂小太郎
「辛かっただろう......」
はらわたが煮えくりかえるとはこういう事を差すのだろうか。だが今は彼女を安心させるのが先決か。案ずるな、時期に天誅は降ろう。



坂本辰馬
「すまんかったのう。何も気付けんで」
そんな状況でも微笑むAがかえって憎らしい。わしはそんなにも頼りないか？ならば、証明するしかない。己が頼れる人だと、人殺しになったとしても。



神威
「ふうん......」
そっけなくスタスタと歩く自分はさぞ滑稽だろう。けど、見つけてしまったんだ。彼女を置いてまで、殺したい奴が。



阿伏兎
「そうか」
直ぐにでも意趣返しに、と思った。だが、今するべき事とは。その気になればいつでも殺せるんだ。ならば、今しか出来ない事をしよう。頭を撫でる。心の傷が、すぐにでも癒える様に。



佐々木異三郎
「......分かりました」
エリートにも知らない事は、意外にも身近にあるんですね。いつも拳銃ばっかりを使ってましたから、今回は刀だけにしましょうか。あ、お土産はドーナツにしましょう。皆んなで食べた方が、彼女も少しは回復するでしょうからね。



吉田松陽
「......あ、塗り薬がきれていました。直ぐに買ってきますので、少し待っていて下さいね？」
本当は薬なんてきれてない、ただの口実。聡い貴方ならお見通しでしょうね。ああ、そんなに不安そうな顔をして......。安心させる為にも、直ぐに帰りますよ。

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