8.女遊びは金がかかる ページ8
「いやぁー君たちすまないねぇ。護衛なんてつけてもらって」
「えぇ、めちゃくちゃ面倒でさぁ」
そのお偉いさんの顔が少し引きつったが沖田にはそんなのは関係ない。青筋を浮かべる護衛対象なんてつゆ知らず携帯の画面を眺めた。
「先に今日のご予定聞いてもよろしいですか？」
沖田に任せておくと、怖いと思ったのか若い隊士が
間を割る。
「今日はね接待なんだ、君たちも楽しみたまえ。金は僕が持つからね」
隊士たちはなんのことやら分からず顔を見合わせていたが、��たのしむ��の意味はすぐに判明した。
取引の場所は
吉原桃源郷
日の当たらない地下の入り口に
入った途端に漂う女の色気
目の華やかさ
そういうのに縁がない
隊士たちがあたふたしている間に
警護対象は目的の店に消えて行った。
「全員入ってもおかしくないですか？隊長」
「あぁ？じゃあ別れっか」
「じゃあ隊長中頼みましたよ」
「俺かよ。ま、タダ酒食らうかねィ」
座敷に上がると
すでに接待は始まってたらしく、警護対象は小走りで沖田に近づくとこそっと耳打ちをした。
「沖田くん。すまないがここからはあまり聞かれたくないのでね、隣に遊女呼んでおいたから、待機していてくれ」
「わかりやした。何かあったら呼んでくだせぇ」
(ったくどんな黒い話やら盗聴器でもつけて生放送してやろーか)
沖田が隣の部屋につくと酒とともに二人の遊女が襖を開けた。
「ようこそおいでくださいました。紫陽花でありんす」
「瑠璃菊でありんす」
聞いたことがある声に少し興味が湧いて沖田は女の方へ無意識に目を向けていた。
「A？」
「わっ、わらわ、新人の瑠璃菊でありんすっ。お初お目にかかります」
なるほどそういうわけか
沖田は小さく漏らす。
「ちょいとすまねぇが紫陽花ちゃん。瑠璃菊だけにしてくんねぇか？」
「えぇ、かまいんせんが、いかがされんして？」
「新人なんだよな？俺がきつく締めて明日から使いやすいように調教してやろうと思ってねィ」
その時の沖田の顔を見て
紫陽花の背中に寒気が走る。
目はちっとも笑わないとはまさにこのことか、と
「あらまぁ、それは助かりんす。瑠璃菊ちゃんとしいや」
「はい。おねぇさま」
「では、旦那。しつれいしんす」
入り口で固まったままの瑠璃菊と沖田の間になんとも言えない空気が流れる。
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愛総(プロフ) - 琉貴さん» 大分古いですが笑っていただけたのなら何よりです！本当にコメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2015年7月27日 22時) (
レス) id: ccfe5e1148 (このIDを非表示/違反報告)
琉貴(プロフ) - ドラゲナイで吹きましたｗ (2015年7月27日 19時) (レス) id: 12055e6034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛総 | 作成日時：2015年2月18日 22時
