33.二人で昔の話をしよう ページ33
「これからも俺の雌豚で居るっつうことだよな」
俺はまだ素直になれなくて、
口から飛び出すのはちっともお前を慰められない役立たずな言葉
「これからも引き戻してくれるんでしょ?私の事」
そう言っておまえは昔と同じように俺の胸に顔を埋めた。
全てが始まったあの日と同じように。
「しゃーねぇな。アンアン鳴かせてやらァ。だから今は……泣くんじゃねぇ」
「…ありがと」
「あの時と同じだな」
「そうだね」
その首に輝いた金のネックレスを無理矢理外して
俺たちは昔話をはじめた
.
.
.
その日はAが初めて一人で任された任務から帰ってくるお祝いの日になる筈だった
外は大雨で
そんなの御構い無しに宴会の準備がなされてた
残念ながらその宴会が執り行われる事はなかった
「総悟、、、、」
「A帰ったのかィ?みんな待ってやがるっ、、、なんで泣いてるんでィ」
俺は打たれたとは聞いてたが
かすり傷で、問題はないと土方が言っていた。
まさかそんなことで泣きべそかくような可愛い女でもないとはわかっていたが、他に思い当たらずに俺は聞く「打たれた所が痛むのか?」と。
問いかけに対してAぶんぶんと首を横に降る
そればかりかより一層なきだして
やっと小さな声で話し出した。
「私、打たれたのは初めてじゃない、痛くもかゆくもない」
でも、
「私は汚れてしまったの」
その時既にこいつの事を大切に思ってた。
いや、武州にいたときからずっとか。
だから次の一言は腹が煮えたくる思いだった
「寝ちゃった、あの男と」
その時のAの顔は
今となってはおなじみの泣き笑いだった
「お願い総悟。どうして涙が止まらないのかわからないの」
次の時にはその震える体を強く抱きしめてた
「私を...助けて」
「消してやるよ俺が」
全てが始まったのはその大雨の日だった
愛を愛として伝えられない哀れな俺たちはが始まったのは
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愛総(プロフ) - 琉貴さん» 大分古いですが笑っていただけたのなら何よりです!本当にコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2015年7月27日 22時) (レス) id: ccfe5e1148 (このIDを非表示/違反報告)
琉貴(プロフ) - ドラゲナイで吹きましたw (2015年7月27日 19時) (レス) id: 12055e6034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛総 | 作成日時:2015年2月18日 22時