影の恋は偽りの愛【沖田総悟】

23.演技派女優 ページ23

「銀さん！朝ですよ」



精一杯の笑顔を
私は別に絶世の美女でも万人ウケするような可愛い顔でもない。

ただ、男が喜ぶ顔を浮かべるのなんて朝飯前だ。

とはいえ一日中ともなると頬は疲れる。



でもなんだか
嫌じゃない

白夜叉と可愛い女の子とメガネ

そんな三人と暮らす平和な日常は少しの間でも、私の重りを忘れさせてくれた。


かれこれ１ヶ月は経つ


「Aさん！朝ごはん作ってくれたんですか？もう僕が作るからいいのに」


「いいのいいの私居候の身だし」


料理も練習しといて正解だった


「そんなこと言ったら、「オハヨー」神楽ちゃんも、Aさんのこと見習いなよ」



新八君の言うことが耳にも入らず、神楽ちゃんがぺったりと背中にくっついてくる。


「A！今日は何アルカ？」

「今日はね、純和風朝食だよ」

「ヒヤッホゥ、Aが来てから朝ごはんが豪華アル！」



可愛いな
そういえば一人っ子だったから妹が欲しかったんだ



「お早うA」

「銀さん！朝から暑苦しいです抱きつかないでください」


「そうアル！
神楽様のAにその汚らわしい 【自主規制】 を近ずけてんじゃねぇよ万年発 情期め」





もしも、私が最初から万事屋の一員だったら？



くだらない



そんなことあるわけない



でもこんな平和な朝が心地よかった


心地よくて


心地よくて




消えたくなる。


「さ、朝ごはんにしましょうか」

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