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「旦那様!奥方様の離れに火がっ!」
「この呪われた子が!どいつもこいつも使えない女に生まれた上に13番目なんて不吉な、、、どうせお前が火をつけたんだろ!」
「そんな!父上」
「父上と呼ぶな!お前なんぞ我の娘と思ったことなどないわ」
ーーーーごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
「ごめんなさいっけほっ」
「謝るならやるんじゃねぇよバカ」
泣きながら謝っていた相手は私を娘としても扱ってくれなかった父なんかではなく
世界一好みの顔で世界一好みの腹筋で
世界一の色男だった
「沖田の旦那、、、、」
「さぁ、じっくり聞かせてもらおうかねィ事の次第を」
簡易的な治療室らしい
話よりも医者を呼ぶのが先な気がするが
煤まみれの彼に助け出されたことは間違いないようだからお詫びと言われちゃ逆らえない
それから閻魔様に話すはずだった話を全て未来の旦那様にした
父が小さい頃から何かにつけて私のせいにしたこと
7歳で吉原に引き取られるまでずっと不吉な13番目と呼ばれていたこと
幼い頃の火事でたった5つの私が犯人と決めつけられ折檻されたこと
そのせいで火が嫌いなこと
姉の病気
母の死
重荷を沖田の旦那に背負わせたくないこと
幸せになるのが怖いこと
全て私がどれだけ不吉な女かということ
「つまりお前が言い訳つけて変化から逃げようとしてるっつーことだな」
「だって、、、」
「その飾りがついた耳かっぽじってよく聞きやがれ。お前には幸せになる権利がある。不吉な13番目じゃなくて俺の1番になる権利。いや、義務があるんでィ」
「でも、お前様。わっちは料理もできんせんし。お前様が怪我して帰ってきても手当すらできない」
「んなの山崎にでもやらせるからいらねぇよ。てめぇはただそばにいて、傷口でも撫でてくれ、それで膝枕でもしてくれりゃあ十分」
「旦那、、、」
行為の間はめいいっぱい好き勝手して私を虐めるくせに朝帰るときは信じられないくらい優しく微笑む。今はそんな顔をしてる
「手始めによその呼び方やめろ」
「総悟」
「もう少し恥じらってもいいだろーが。可愛気のねぇ」
「お望みなら廓言葉だってやめられるでありんす」
「これからは好きなように喋って好きなようにしていい。自由を教えてから不自由に手懐けてやらァ」
「今ここで誓いんす。一生お側におります」
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ミユ(プロフ) - パスワードを教えてほしいです! (2018年8月13日 1時) (レス) id: 9c5031f758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛総 | 作成日時:2017年8月18日 3時