真選組血風帳 壱【沖田総悟】

第9訓 金持ちほど心に余裕があったりする ページ10

「茂茂公、本日護衛に当たらせていただきます。真選組1番隊土方Aです。何かございましたら何なりとお申し付けください」



お忍びで参りたいというご要望より護衛は最小限でというのは理解できるが、まさか女一人というのはとっつあんも焼きが回ったな。


「土方殿の妹君だそうだな。そんなにかしこまらなくて良い。今日はただの将ちゃんだ」


しかし、と尻込みする私に将軍命令だと仰せになって落ち着いた笑みを浮かべた茂茂公はさすが一国の長の風格だった。



「将ちゃん様、本日はどちらに」

「片栗虎と出かけると女遊びばかり教えるものでな。たまには普通の、散策といったところだろうか」


要するに一般人の遊びというものを知りたいらしいのだが、何分私も江戸に来てから遊びというものをしたことはなかったため、頭を悩ませる。


「真面目に考えてくれておるのじゃな」

「当たり前でございましょう！将ちゃん様の一日をお預かりしたのですから」


とりあえず、、、映画？いや、ご趣向に合わないかもしれない。

ボウリング？いや、怪我をさせようもんなら首が飛ぶな


「はっはっ。よいよいわかった。げーむせんたーとやらに行こう」

「え！？ゲームセンターですか！？」


これはやばいことになった。あんな輩がたまっているところにこんなやんごとないオーラの人が居たら、、、


「わかりました、人払いの手配を」

「Aよ、余は市井の民の暮らしが見たいのだ」


もう！誰のこの人にゲームセンターなんて教えたのは！まだキャバクラの方が治安がいいわっ


あ、でも姉御がいたらゲームセンターより危ないな



「かしこまりました。では、江戸で1番大きなところに参りましょう」

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