真選組血風帳 壱【沖田総悟】

第5訓 知り合いにバレるとうっとおしい ページ6

「今週の掃除当番は_____」


人の家を借りてるんだから掃除はきちんとする。
職務がない今となってはこの大きな屋敷でも掃除をする時間なら幾らでもあった。なんなら掃除くらいしかやることがない。

それでもやりたくなさそうな男が一人


「江戸から離れてまずやることが掃除って」

「沖田隊長！掃除は心の汚れを落としてくれます」


案の定 清蔵さんに怒られて適当に箒をうごかしている。


「ふくたーいちょっ」

「え、なにうざっ」



玄関ホール担当の1番隊。私が花瓶にハタキをかけていると、うちの隊の古参の一人が見るからにめんどくさい面持ちで声をかけてきた。




「おめでとうございます」

「なにが？」


わかってるくせにぃいいいと肘で突っついてくるのが本当にうっとおしい。

思わず刀に手をかけるけどこいつらにとっては日常茶飯事すぎて慌てる様子も見せない。


「沖田隊長ですよ沖田隊長」

「……あんた、上司の部屋に聞き耳たてた罪状で切腹させるよ」

「やだなぁそんなことしませんよ！！見てたらわかりますって。ちょっとよそよそしくなっちゃって」

「そこ、掃除は己と向き合う時間ですよ。お二人の話は私がいる時にしてください」

「清蔵さんもきになりますよねー！！」



怒るなら、もっとまともに怒ってくれ。というか私は真面目に掃除していたんだが。


(よそよそしい、か)


花瓶に目を戻すと視線の先で総悟が小さくジェスチャーをしていた。

箒？を振り回してる……んじゃなくて

「(叩き斬る？)」



何をと口で伝えると
私には縁もない文字が帰ってきた

う、わ、き

浮気！？どう見たってダル絡みされただけだよね


「隊長、副隊長掃除はイチャつく時間ではありません」

「う、すいません」

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