第39訓 いつだって兄弟喧嘩はおこりうる ページ40
昔一度だけ土方兄妹の大喧嘩があった。
Aが土方さんから説教されることは多かったし喧嘩も度々。だが互いに一歩も譲らないあんなに大きな喧嘩を見るのは初めてで近藤さんと二人オロオロしたのを覚えてる。
「兄ちゃんなんてもう知らない!!」
思えば昔も同じようなことを言っていた。多分喧嘩した時の口癖なんだろう。
原因はAが大事にしていた結い紐を土方さんが不注意で切ってしまったことだった気がする。
不慮の事故だった事から土方さんも若干不服そうに謝るもんで形だけの謝罪をAは受け入れなかった。
「わりいって言ってんだろ」
「……」
目に涙をいっぱいためてそっぽを向くAを姉上一人が理解していたようだった。
「為五郎さんからもらった大事なものを壊してしまった申し訳なさと不甲斐なさからAちゃんは泣いてたのよ」
後から姉上はこっそり教えてくれたけど、その時は女心なんてちっともわからないガキで、姉上が言ってることもさっぱり
「Aちゃんがね、為五郎さんには申し訳なくて言い出せないって。十四郎さん。どうにかできないかしら」
あまりにも2人のせいで道場の空気が冷たいのに見かねて姉上が間を持ったのは事が起こった4日後。
そういえばあの時の土方の仏頂面は今のAのむくれた顔にそっくりだった。
「十四郎さんはAちゃんと仲直りしたくないの?」
「う……わかった」
そのあと結局家に帰ろうとしない土方の代わりに姉上が為五郎さんに掛け合って、Aには二人からの贈り物ということで自体は丸く収まった。
その紐は今も財布の中に大事に仕舞われていることを俺は知っている。
悔しいくらいにAの真ん中には2人の兄がいた。
姉上のように二人を取り持つことができないのは、土方との因縁かはたまたただの独占欲か。
情けないなと思いながら、
姉上だったらきっとうまくこの場を収めてしまうんだろうと思いながら、
俺は目を閉じたのだった。
第40訓 同じ方ばかりに持っていると肩が死ぬ→←第38訓 血の繋がりは時々厄介
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愛総(プロフ) - おひるのかねさん» ご指摘ありがとうございます!誤字だらけでごめんなさい泣 この後も誤字ってると思いますが、大目に見て頂けますと幸いです! (2月11日 2時) (レス) id: 7df001d406 (このIDを非表示/違反報告)
おひるのかね - コメント失礼します。いつも楽しく拝見させていただいております。 第一訓の「伊三郎」は「異三郎」ではないでしょうか? (11月19日 17時) (レス) @page2 id: 917478dea8 (このIDを非表示/違反報告)
愛総(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんばんは!コメント有り難う御座います。当方連載中のシリーズになってる血風帳、剣風帳とは繋がっています!(シリーズ一覧からご覧ください)その他の私の作品とは繋がっておりません。こちらで回答になってますでしょうか (2023年3月18日 4時) (レス) id: 7df001d406 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^はじめまして。このお話って他の作品と繋がってますか?急な質問、すみませんm(__)m (2023年3月17日 23時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
愛総(プロフ) - 雪妃さん» あけましておめでとうございます。もったいないお言葉ありがとうございます!一層精進いたしますので今年もよろしくお願いします。 (2018年1月1日 12時) (レス) id: f37a23b178 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛総 | 作者ホームページ:https://twitter.com/iso_0708/status/1468333379636834307?s=21
作成日時:2017年12月28日 2時